ビジネスシーンでは、セミナーや記念パーティー、懇親会など、さまざまなイベントが開催されます。その際に欠かせないのが、参加を促すための「案内文」です。

しかし、いざ案内文を作成するとなると、「どんな内容を書けばいいのだろう?」「失礼のないようにするには、どんなマナーがある?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ビジネスイベントの案内文を作成する際の基本的なポイントやマナーから、コピーして使えるシーン別の例文テンプレートまで、わかりやすく解説します。社外向け・社内向け問わず、様々なビジネスシーンで活用できる内容ですので、ぜひ参考にしてください。

ビジネスイベントでは招待状が重要

ビジネスイベントにおける招待状は、単に参加を案内するだけのツールではありません。招待状はゲストが最初に目にするものであり、イベント、ひいては企業全体の第一印象を左右する重要な役割を担っています。

特に、取引先や顧客といった社外の方を招待する場合、その後の関係性に影響を与える可能性も少なくありません。丁寧な言葉遣いと分かりやすい構成を心がけ、組織の代表として送るにふさわしい文書を作成することが、イベント成功の第一歩と言えるでしょう。

ビジネスイベントの招待状を作成する際のポイント・マナー

ここでは、相手に好印象を与え、参加へと繋げるための案内状作成のポイントとマナーを5つご紹介します。

1. 正しい敬語を使う

案内状はフォーマルな文書であるため、適切な敬語の使用が不可欠です。一般的に、冒頭の「拝啓」と結びの「敬具」はセットで使われます。相手への敬意を示すことで、丁寧な印象を与えることができます。

2. 件名は簡潔で分かりやすく

多くのビジネスパーソンは日々大量のメールを受け取っています。そのため、メールで送る場合は、件名を見ただけで「何の案内か」が一目でわかるようにすることが重要です。例えば、「【〇〇株式会社】〇〇セミナー開催のご案内」のように、誰からのどういった案内なのかを簡潔に記載しましょう。

3. 時候の挨拶を入れる

本文の書き出しには、季節感を表す「時候の挨拶」を入れるのがビジネスマナーです。例えば、「春暖の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」といった表現を加えることで、文章全体が和らぎ、より丁寧な印象になります。

4. 相手に配慮した表現を心がける

案内状では、一方的に情報を伝えるのではなく、相手への配慮を示す言葉を添えることが大切です。「ご多忙の折とは存じますが」や「お忙しいところ恐れ入りますが」といったクッション言葉を入れることで、相手を気遣う気持ちが伝わります。

5. 送付時期は1ヶ月前が理想

イベントの案内状は、遅くとも開催日の1ヶ月前までには送るのが理想的です。直前の連絡では、相手がすでに別の予定を入れてしまっている可能性があります。相手がスケジュールを調整しやすいよう、早めの準備と送付を心がけましょう。

イベント情報を記載する時に必要な項目

案内状には、ゲストが参加を検討するために必要な情報を過不足なく記載する必要があります。情報が多すぎるとかえって分かりにくくなるため、以下の項目を参考に、情報を整理して記載しましょう。

  • 開催日時: イベントの開始時間だけでなく、受付時間や終了予定時刻も明記すると親切です。
  • 場所: 会場名と住所はもちろん、最寄り駅からのアクセス方法や、会場のWebサイトURLを載せると丁寧です。
  • 会費: 参加費が必要な場合は、金額を明記します。無料の場合もその旨を記載しましょう。
  • 服装(ドレスコード): 服装に指定がある場合は必ず記載します。「平服でお越しください」「ビジネスカジュアル」など、具体的な例を示すと参加者が迷わずに済みます。
  • 出欠の回答期限: 参加人数を把握するために、回答期限は必ず設定し、明記しましょう。
  • 問い合わせ先: イベントに関する問い合わせに対応できるよう、担当部署名、担当者名、電話番号、メールアドレスを記載します。

ビジネスイベントにおける案内文の例文・テンプレート

ここでは、社外向け、社内向けなど、様々なビジネスシーンで使える案内文の例文を11種類ご紹介します。個人や町内会といった少しカジュアルなシーンでも応用できるものもありますので、目的に合わせて適宜修正してご活用ください。

【社外向け】案内文書の例文・テンプレート

1. 会社設立記念パーティー

件名:株式会社〇〇設立記念パーティーのご案内

謹啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、このたび新たに立ち上げました株式会社〇〇は、来る〇月〇日をもって営業を開始する運びとなりました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
つきましては、日頃ご支援くださいます皆様へ感謝の意を表したく、ささやかな祝宴を催したく存じます。
ご多用のところ大変恐縮ではございますが、何卒ご臨席賜りますようお願い申し上げます。
謹白



・開催日時:〇年〇月〇日(〇) 〇時~〇時
・開催場所:〇〇ホテル 〇〇の間
・会費:〇〇円

お手数ではございますが、〇月〇日迄にご出欠をお知らせくださいますようお願い申し上げます。

2. 社長就任披露パーティー

件名:社長就任披露宴のご案内

謹啓
〇〇の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、私儀
このたび〇月〇日付をもちまして、代表取締役社長に就任いたしました。つきましては、日頃お世話になっております皆様に感謝の意を表したく、就任披露の小宴を催したく存じます。
ご多忙中とは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご臨席賜りますようお願い申し上げます。
謹白



・開催日時:〇年〇月〇日(〇) 〇時~〇時
・開催場所:〇〇ホテル 〇〇の間

お手数ではございますが、〇月〇日までにご返信くださいますようお願い申し上げます。

3. 創立記念祝賀会

件名:創立〇〇周年記念祝賀会のご案内

拝啓
〇〇の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
さて、弊社は本年〇月〇日をもちまして、創立〇〇周年を迎えることとなりました。これもひとえに皆様方の温かいご支援の賜物と、心より感謝申し上げます。
つきましては、日頃の感謝の意を表したく、記念祝賀会を下記の通り開催いたします。
ご多忙の折、誠に恐縮ではございますが、ご臨席賜りますようご案内申し上げます。
敬具



・日時:〇年〇月〇日(〇) 〇時~〇時
・場所:〇〇会館 〇〇ホール

〇月〇日までに同封のハガキにてご出欠の旨をお知らせください。

4. セミナー・講演会

件名:【〇〇株式会社】〇〇セミナー開催のご案内

拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度、弊社主催の「〇〇セミナー」を下記のとおり開催いたしますのでご案内申し上げます。当日は講師に〇〇様をお迎えし、〇〇に関する最新情報やノウハウについてご講演いただきます。
ご多忙とは存じますが、ぜひご参加くださいますようお願い申し上げます。
敬具



・開催日時:〇年〇月〇日(〇) 〇時~〇時
・開催場所:〇〇カンファレンスセンター
・参加費:無料

詳細は弊社Webサイトをご覧いただくか、下記担当者までお問い合わせください。

5. ゴルフコンペ

件名:第〇回 〇〇杯ゴルフコンペのご案内

拝啓
〇〇の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、恒例となりました「〇〇杯ゴルフコンペ」を下記の通り開催する運びとなりました。
コンペの後にはささやかな懇親会も予定しておりますので、皆様お誘い合わせの上、奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。
敬具



・開催日時:〇年〇月〇日(〇) 〇時集合
・開催場所:〇〇カントリークラブ
・参加費用:〇〇円

ご出欠につきましては、〇月〇日までに幹事の〇〇までご連絡ください。

6. 株主総会

件名:第〇回 定時株主総会開催のご案内

謹啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度、第〇回定時株主総会を下記の日程で開催いたしますので、ご出席くださいますようご通知申し上げます。
謹白



・日時:〇年〇月〇日(〇) 午前〇時
・場所:弊社 本店〇階 会議室

当日ご欠席される場合は、同封の委任状にご署名ご捺印の上、ご返送くださいますようお願い申し上げます。

【社内向け】案内文書の例文・テンプレート

7. 懇親会・忘年会

件名:【〇〇部】忘年会開催のお知らせ

〇〇部各位

今年も残すところあとわずかとなりました。
さて、日頃の労をねぎらい、部内の親睦を深めるため、下記の通り忘年会を企画いたしました。
年末のお忙しい時期とは存じますが、ぜひご参加いただき、楽しいひと時を過ごせればと思います。



・日時:〇月〇日(〇) 〇時スタート
・場所:居酒屋〇〇
・会費:〇〇円

準備の都合上、〇月〇日までに幹事の〇〇まで出欠のご連絡をお願いします。

8. 社員旅行

件名:社員旅行のご案内

社員の皆様

お疲れ様です。
さて、毎年恒例の社員旅行の日程が決定しましたのでご案内いたします。
今年はアンケート結果に基づき、「〇〇温泉1泊2日」に決定いたしました。日頃の疲れを癒し、社員同士の親睦を深める良い機会にしたいと思いますので、奮ってご参加ください。



・日時:〇月〇日(〇)~〇日(〇)
・宿泊先:〇〇ホテル
・集合場所・時間:本社前 午前〇時

参加を希望される方は、〇月〇日までに〇〇部までお知らせください。

9. 内定式

件名:〇年度 内定式のご案内

内定者各位

拝啓
〇〇の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、この度、〇年度新卒採用の内定式を下記の通り執り行います。
当日は、内定者の皆様同士や弊社社員との親睦を深める機会も設けておりますので、ぜひご参加ください。
敬具



・開催日時:〇年〇月〇日(〇) 午前〇時集合
・開催場所:株式会社〇〇本社 第〇会議室
・服装:スーツでお越しください

ご不明な点がございましたら、人事部の〇〇までご連絡ください。

10. 研修会

件名:〇〇研修のご案内

関係者各位

お疲れ様です。
この度、〇〇力向上を目的とした研修会を下記日程で実施いたします。
対象者の方は、業務ご多忙のことと存じますが、万障お繰り合わせの上ご参加いただきますようお願い申し上げます。



・日時:〇月〇日(〇) 〇時~〇時
・場所:本社 研修室
・講師:〇〇株式会社 〇〇様

詳細は添付資料をご確認ください。

11. 歓送迎会

件名:〇〇さんの歓送迎会のご案内

〇〇部各位

お疲れ様です。
この度、〇月をもってご退職される〇〇さんと、新しく配属された〇〇さんの歓送迎会を下記の日程で開催いたします。
皆様お誘いあわせの上、ご参加ください。



・日時:〇月〇日(〇) 〇時~
・場所:〇〇(レストラン名)
・会費:〇〇円

出欠は〇月〇日までに、幹事の〇〇までお願いします。

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イベントの案内や出欠確認、リマインド通知をより確実かつ効率的に行いたいとお考えの担当者様も多いのではないでしょうか。そんな時に役立つのが、SMS(ショートメッセージサービス)送信サービスです。

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まとめ

本記事では、ビジネスイベントの案内文を作成する際のポイントやマナー、そして具体的な例文をご紹介しました。

案内状は、イベントの第一印象を決める重要なコミュニケーションツールです。相手への配慮を忘れず、分かりやすく丁寧な案内文を作成することが、イベントの成功に繋がります。今回ご紹介したポイントと例文を参考に、ぜひ次のイベント案内状作成に役立ててください。