2023年9月19日
業種
保険
従業員数
30名
取り組み
Salesforce連携により誤配信ゼロを目指す

SMS送信サービス「KDDI Message Cast」は、お客様との電話などによるアポイントの調整後、予約確定のお知らせやリマインドのためのツールとして、さまざまな企業様にご活用いただいています。
今回は、従来利用していたSMS配信プラットフォームからKDDI Message Castに切り替えてSalesforceと連携させ、予約確定連絡の配信コストの削減や誤配信の防止などに取り組む、株式会社エイチームフィナジー 様の事例をご紹介します。同社デザイン開発部 部長の荻内 規史様に、導入の経緯や効果、今後の活用予定などについてうかがいました。

株式会社エイチームフィナジー 荻内 規史 様

採用の理由と経緯

− 事業概要と担当業務についてご紹介ください。

当社はエイチームグループの一員として、「世の中からお金の不安をなくす」というミッションのもと、保険代理店事業を展開しています。「【ナビナビ保険】保険比較・FPに無料相談できる総合保険サイト(以下ナビナビ保険)」というWebサイトでお客様に保険の商品を紹介し、資料請求や相談の申し込みを受けています。ファイナンシャルプランナーとの面談を希望したお客様には、当社のコールセンターから架電してアポイントを取り、予約確定連絡として面談の日時や場所、ファイナンシャルプランナーの情報などをSMSで配信する、というのが業務の基本的な流れです。
私はもともとWebエンジニアでしたが、現在はデザイン開発部部長として部内のエンジニアやデザイナーをマネジメントしつつ、幹部として経営会議にも参加し、会社の運営にも携わっています。

− そうしたビジネスを展開する中、どのような課題がありましたか?

当社では「ナビナビ保険」のサービス開始当初より、米国のSMS配信プラットフォームを利用し、お客様の情報を管理しているSalesforceからSMSを配信していました。 連絡ツールとしてSMSを採用した理由は、到達率と開封率が非常に高いからです。メールのように、開封率が低くほとんど見ていただけないツールを使うと、予約確定連絡がお客様にきちんと伝わらず、お客様から「約束の日時に現場へ行ったが、ファイナンシャルプランナーが来なかった」や、逆に提携先の代理店様から「お客様がいなかった」などのインシデントが起こりかねません。そのため、SMS以外のツールは検討していませんでした。

ただ、他社サービスには2つの課題がありました。1つは、ライセンス費用や月間2,000通を超える配信のコストが高かったこと。もう1つは、SMSの文面や送信先をSalesforce内のデータから手動でコピー&ペーストしていたため、送るべき内容や相手を間違ってしまうミスがまれにあり、それを防止する機能がなかったことです。特に2つ目は、個人情報の漏洩に繋がる可能性があるので、SMS配信に日々携わっているメンバーにとって心理的負担になっていました。
そんな中、国内販売代理店・KDDIウェブコミュニケーションズによる同サービスの提供が2023年5月に終了すると聞き、SMS配信プラットフォームの切り替えを本格的に検討し始めました。

− KDDI Message Castを選んだ理由は?

そもそもの理由としては、Salesforce上からSMSを配信できるプラットフォームが他に見当たらなかったということはあります。ただ、その中でも「送信者のライセンス費用がかからない」「配信前の承認機能が近々実装される」ということを知って、これなら自社の課題を解決できそうだと感じたのが大きな理由の1つです。
加えて、機能の豊富さも魅力でした。たとえば他社の場合、SMSで配信した内容やレポートを閲覧しようとすると、Salesforceから別のサイトへ遷移しなければならないのが面倒でした。その点KDDI Message Castなら、Salesforceの中にレポートの機能があるので、遷移することなく簡単に閲覧できます。また、他社にはない一括送信機能も備わっていて、将来的に営業・マーケティング施策で活用できそうだと感じたことも選定理由の1つになりました。

導入後の効果

− KDDI Message Castをどのように利用していますか?

現在は旧プラットフォームと並行稼働の状態ですが、導入プロジェクトは予定通り進んでいて、早ければ2023年8月に本格稼働できる見通しです。基本的な使い方は従来と変わりません。Salesforceのリードオブジェクトまたは個人取引先から、150文字程度のSMSを月間2,300通ほど配信しています。配信頻度は面談予定により増減しますが、配信の内容やタイミングは以前と同様です。
大きく変わったのは、KPIに基づいて様々なSMS配信施策が実行可能になったことです。他社では送信結果をSalesforce以外のシステムにアクセスして確認する必要があったのに対し、KDDI Message CastではSalesforce内で確認できるのでデータの一元管理ができます。おかげで現場のメンバーが自主的にSalesforceのレポートで各種KPIを追いかけながら、たとえばターゲットごとにメッセージの内容や配信の時間帯を変えるなど、様々な改善を図ることができるようになりました。以前はそこまで考えが及ばなかったのですが、KDDI Message Castを導入したことで、そうしたお客様の行動を踏まえた配信の最適化ができると気づきました。

− KDDI Message Castの導入によって、どのような定量的な効果を見込んでいますか?

まず旧プラットフォームとのライセンス費用の差額として、月間約4万円のコストを確実にカットできます。また、誤配信防止機能が実装されれば、誤配信数月間0件という目標を達成できる見通しで、お客様や関連各社にご迷惑をおかけすることがなくなるのはもちろん、インシデントへの対応に要していた人件費を削減できます。
そのほかに定量効果として期待しているのは、到達率と開封率の向上です。SMSを送ったのに届いていない、見られていないというケースは、従来どちらも月間1件あるかないかでしたが、完全にゼロであることが重要です。SMSの到達率・開封率はもともと高いですが、100%になるのが理想ですね。

− 導入後、数値以外にどのような効果を期待していますか?

誤配信に対する担当メンバーの不安の解消です。KDDI Message Castでは、従来のように配信する内容や送信先を手動でコピー&ペーストする必要はなく、Salesforce上から直接送れるので、以前のような人為的ミスは起きません。さらに誤配信防止機能を使えば、送信の際、上長に内容の承認依頼を申請してダブルチェックできるようになるので、メンバーの不安を大幅に軽減できると考えています。

− KDDI Message Castへの切り替えをどのように進め、どのぐらいの工数がかかりましたか?

いきなり移行するのではなく、まずはメンバーに切り替えとそのメリットを周知させ、次にマニュアルの整備や新プラットフォームの試用を行うなど、本番に向けて段階的に進めることを意識しました。
具体的な工数としては、問い合わせから契約、導入までの間に御社とミーティングを数回。加えて、エンジニアメンバーによる導入作業やマニュアル整備などのコストはかかりましたが、全体としてそれほど大変だったという印象はありません。

− 今後どのようにKDDI Message Castを活用しようと考えていますか?

一括送信機能で保険商品やイベント、セミナーなどの案内を送るといった活用方法を検討しています。そのような、いわゆる“攻め”の営業・マーケティング施策は、開封率の低いメールで行ってもほとんど無駄に終わってしまいますが、SMSは開封率が高く、お客様の流入経路として大いに見込みがあります。SMSの一括送信は、営業・マーケティングの新たなチャンネルとして、定量的な売上に貢献してくれるだろうと期待しています。

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