謝罪メールの締め方とは?作成のポイントや例文を徹底解説

仕事上で謝罪が必要になったとき、どのような謝罪メールを送るかによって相手の心象が大きく変わります。トラブルが起きてしまったときは、できるだけ早く真摯な気持ちが伝わる効果的な謝罪メールを送り、信頼関係の修復に努めることが大切です。
そこで本記事では、謝罪メールの基本的な流れからメール文の締め方、さらに状況別の締めの具体的な例文までを詳しく解説します。
目次
謝罪メールにおける流れや締めくくりのポイントとは?

トラブルやミスが発生したときは、直接出向いて、または電話やメールで謝意を伝える方法が一般的です。時間帯や先方の都合、トラブルへの対応作業などによって直接口頭で謝罪ができない場合は、まずはメールで誠意を持って謝罪しましょう。
では、具体的にどのような点に注意してメールを作成すればよいでしょうか。
①謝罪→対応→原因→謝罪の順で伝える
謝罪メールの基本的な構成は以下の通りです。
- 挨拶と謝罪
- 問題の原因
- 今後の対応策
- 謝罪の意を改めて伝える締めの言葉
謝罪文では、謝罪の気持ちを述べるだけでなく、トラブルの原因および今後の対応策を明確に記載することで、先方に誠意ある謝罪と状況改善の意志が伝わり、信頼回復へとつながります。
②不用意に謝罪しない
トラブルが発生した際は、できるだけ早く謝罪することが大切ですが、状況を十分に把握しないままやみくもに謝罪することは避けましょう。「原因はわからないけれどとりあえず謝っておこう」という姿勢は、謝罪内容が曖昧になったり、必要以上の謝罪が自社に不利益を招くおそれがあり、より大きな問題へと発展してしまう可能性もあります。
既に問題点が明確になっている場合は、自社に明らかな責任がある点に絞って適切に謝罪しましょう。
トラブルの原因が不明な場合は、事態が発生したことへのお詫びや、原因究明を約束するメールを送り、しっかりと原因や責任の所在を明らかにしたうえで、改めて謝罪メールを送りましょう。
③結びでは再度謝罪と感謝を伝える
謝罪文の結びでは、冒頭で謝意を伝えていても、もう一度しっかりと謝罪の言葉を述べておきましょう。文末で再度謝罪の気持ちを伝えることで、誠意と反省の意志がより明確に伝わります。また、相手からトラブルに関する指摘や助言を受けている場合は、「ご指摘いただきありがとうございます」など、相手の配慮や関心に対する感謝の言葉も添えるとよいでしょう。
また、締めの言葉は、トラブルの内容や重大性に応じて使い分けるとスマートです。軽微なミスであれば、丁寧なお詫びと感謝の意を伝える程度で問題ありませんが、重大なトラブルの場合は、深い反省と今後の再発防止への取り組みを誓う一文で締めくくるのが望ましいでしょう。締めの言葉選びを誤ると、かえってマイナスな印象を与えてしまうおそれがあるため注意が必要です。
謝罪メールの締めくくりの表現として適しているフレーズとNG例
手紙やメール文を読むとき、最後に読む言葉が一番強く印象に残ることがあります。謝罪文の締めくくりは文章全体の印象を大きく左右すると考えてよいでしょう。
ここでは、謝罪メールの締めくくりに適したフレーズと、謝罪メールでは避けるべきNGフレーズを紹介します。
メールだけで謝罪を終わらせない意図を伝える
重大なトラブルが発生したときは、メールだけではなく直接訪問しての謝罪が必要な場合があります。しかし、先方の都合などですぐに訪問できないとき、取り急ぎ送付する謝罪メールを「メールにて恐縮ですが、取り急ぎお詫びのご連絡を申し上げます。」というフレーズで締めくくると、問題の重大性を十分認識していることが伝わりやすいでしょう。このフレーズには、問題を決して軽視しているわけではなく、むしろ一刻も早く状況を説明し謝意を表明しなければならないという誠意を感じることができます。
「よろしくお願いいたします」はNG
一般的なビジネスメールでよく用いられる「何卒よろしくお願いいたします。」というフレーズは、謝罪メールの締めくくりとしては適切ではない場合があります。
既に解決済みの軽いトラブルに関する報告メールなどでは問題ありませんが、相手に多大な迷惑をかけてしまった場合や、損害を与えてしまったような重大なトラブルの場合、このフレーズを用いると、「これで謝罪は終わりです」「あとはよろしくお願いします」といった一方的なニュアンスに受け取られかねません。
「すみません」ではなく「申し訳ありません」
ビジネスメールでは、口語的な言葉遣いは避けましょう。特に謝罪メールの場合、より丁寧な言葉遣いを心掛ける必要があります。「すみません」や「ごめんなさい」といった、カジュアルな言葉では、信頼を取り戻そうとする誠意ある姿勢が伝わりません。
「大変申し訳ありません」「深くお詫び申し上げます」「謹んでお詫び申し上げます」など、トラブルの重大さに応じて適切な謝罪フレーズを選んで使用しましょう。
謝罪メールの締めの例文集


一口に謝罪メールと言っても、状況やトラブルの内容によって、用いる謝罪の言葉が異なります。
ここでは、シーン別の適切な謝罪メールの締めの文例を紹介します。
ミスによるトラブルの謝罪文
自分、または自社のミスによって先方に迷惑をかけてしまった場合は、心からの謝罪や、二度と同じことは繰り返さないという決意を伝えましょう。
- 弊社の不手際により多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
- 私の不注意による過失で、ご期待に沿えず深くお詫び申し上げます。
- 今後はこのようなことがないよう管理を徹底し、再発防止に努めてまいります。
- 今回の件は私自身の不手際によるものであり、弁解の余地もございません。
- 同様の事態を二度と起こさぬよう徹底して参ります。
不快な思いをさせてしまったときの謝罪文
相手に不快な思いをさせてしまった場合は、相手の気持ちに寄り添い、不快な思いをさせてしまったことへの心からの謝罪と、今後このようなことがないように配慮する姿勢を伝えましょう。
- 今後このようなことがないよう細心の注意を払い、信頼回復に努めて参ります。
- 今回の件を深く反省し、より良い対応ができるよう努めて参ります。
- 不快な思いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げます。
- 貴重なお時間を頂戴したにも関わらず、不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした。
- このような事態を二度と起こさぬよう、再発防止に全力で取り組む所存です。
取り急ぎメールで連絡するときの謝罪文
まずはメールで謝罪文を送るときは、メールで終わらせるつもりはないこと、後日正式に謝罪に伺うつもりであることを伝えましょう。
- メールでのご連絡となり恐縮ですが、取り急ぎお詫びを申し上げます。
- 近日中に直接お伺いし、改めて謝罪とご説明をさせていただきます。
- 直接お伺いしてお詫びを申し上げるべきところ、取り急ぎメールでのご連絡となりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
- 緊急を要する事態のため、まずはメールでのご連絡となりました。
- 本日中に直接お伺いできず大変恐縮ではございますが、事態を重く受け止め、まずはメールにて謝罪のご連絡をさせていただきました。
今後も付き合いを継続したいときの謝罪文
長いお付き合いの取引先やお得意様への謝罪文は、しっかりと謝罪をしたうえで、今後のお願いの一言を添えましょう。
- これからもお気づきのことがございましたら何なりとご指摘いただきますよう、併せてお願い申し上げます。
- 今後もより一層のサービス向上に努めて参ります。引き続きお取引を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
- 長年にわたるお取引の中で培ってまいりました信頼関係を大切にし、今後も誠意をもって対応させていただきたく存じます。
- 今回の反省を活かし、より良いサービスの提供に努めて参ります。
原因究明が完了していないときの謝罪文
まだトラブルの原因がわからない状態での謝罪文は、放置せず原因を調査していることや、できれば具体的な報告予定の日程などを伝えたうえで、最後に「この度は誠に申し訳ございませんでした。」といった謝罪の言葉を加えると良いでしょう。
- 原因特定と対策が完了次第、改めて詳細をご報告させていただきます。
- まずは発生の事実と現状をご報告申し上げます。調査結果および再発防止策につきましては、後日改めてご連絡させていただきます。
- トラブルの詳細な原因については現在調査中ではございますが、お客様にご不便をおかけしている事実に変わりはなく、深くお詫び申し上げます。
- 調査結果および今後の対応につきましては、〇月〇日までに責任者より改めてご説明にお伺いさせていただきます。
- 原因の特定には今しばらくお時間をいただくことになり大変申し訳ございません。調査完了次第、再発防止策とともに詳細をご報告させていただきます。
やり取りを終了したいときの謝罪文
度重なる謝罪や報告でも納得してもらえないことがあるかもしれません。これ以上のやり取りが難しいときは、「重ねてのご連絡となり、お時間を頂戴し申し訳ございません。」といった、やり取りに時間がかかってしまったことへの謝罪を述べたうえで、このメールでやりとりを完了する旨の文を記載します。最後に「今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。」といった関係継続のお願いを添えると良いでしょう。
- これにて最終のご報告とさせていただきます。
- 本件に関する対応はこれをもって完了とさせていただきます。
- この度の件につきましては本書面をもちまして最終報告とさせていただきます。
- ご指摘の件につきましては、改善策の実施と検証が完了いたしましたので、本対応をもって完結とさせていただきます。
予定変更・キャンセルをするときの謝罪文
アポイントメントの変更をお願いする場合は、「このような急な予定変更のご連絡となり、誠に申し訳ございません。」といった謝罪の言葉を述べたうえで、どちらが今後の日程調整を行うのかを明示しましょう。
- 予定していた打ち合わせのキャンセルをお願いすることとなり、心よりお詫び申し上げます。
- 改めて〇月〇日の△時から□時でご都合いかがでしょうか。ご多忙の中恐縮ではございますが、ご検討いただけますと幸いです。
- 来週以降で改めて調整させていただきたく存じます。大変恐縮ですが、ご都合の良い日時をご教示いただけますと幸いです。
- 再調整のお手数をおかけいたしますが、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
社内での上司や同僚への謝罪文
社内での謝罪文は、取引先や顧客への謝罪文ほどの丁寧な言い回しは必要なく、今後の改善策や反省している姿勢を簡潔に伝えるメール文が好ましいでしょう。
- この度は私の不注意により、ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。今後同様のミスを繰り返さないよう十分注意いたします。
- 今回のミスにより、チーム全体の進行に影響を与えてしまい申し訳ありませんでした。二度とこのような事態を起こさぬよう、業務の進め方を見直し改善いたします。
- この度は私の確認不足により、皆様にご心配とご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
- このたびは報告遅延により、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
- 引き続きのご指導をよろしくお願いいたします。
謝罪メールの締めに関するQ&A
謝罪メールの締め方は、通常のビジネスメールとは少し異なる点があります。メール文を作成していて、「この言葉の使い方は、謝罪メールでも問題ない?」と疑問に思うことがあるかもしれません。
そこで、謝罪文に関するよくある疑問点と、その回答をいくつかご紹介します。
「今後とも~」を使ってもよいですか?
「今後ともよろしくお願いいたします」というフレーズは、ビジネスメールで頻繁に使用されます。しかし、謝罪メールでは、定型文を使用しただけの誠意のない文章と取られてしまう可能性があるため、状況によっては使用を控えたほうがよいかもしれません。
「今後」を使用する場合は、「今後は同様の問題が発生しないよう、誠心誠意努めてまいります」といった表現が適しています。
「ご容赦ください」で締めても良いですか?
「ご容赦ください」という言葉は、「自分が犯したミスを許してください」「大目にみてください」という意味をもつ言葉です。そのため、使い方によっては責任逃れのように聞こえたり、相手の感情を軽視していると受け取られる可能性があるため、謝罪文の締めのフレーズに適しているとはいえません。
ただし、状況によっては、トラブルの原因や改善策、謝罪の意をしっかりと伝えたあとで使える場合もあります。たとえば、「現時点では臨時的な対応となりますが、何卒ご容赦ください。」といった、致し方ない現状に理解を求める意味合いで使うことができます。
「メールでのご連絡となり恐縮ですが〜」は失礼ではない?
深刻なトラブルが発生した際には、メールや電話ではなく、直接訪問して口頭で謝罪することでより誠意が伝わることがあります。しかし、すぐに訪問することが難しい場合は、何らかの手段で、一刻も早く原因究明や対応策を報告する必要があります。このような場合、「メールでのご連絡となり恐縮ですが、取り急ぎお詫びを申し上げます。」は、適切な謝罪文といえるでしょう。
このとき大切なのは、メールによる謝罪で全てを終わらせるつもりがないことを、明確に相手に伝えることです。例えば「後日改めてお伺いしてご説明させていただきます」といった言葉を添えることで、メールがあくまでも初期対応であり、本来は訪問すべきであるという気持ちを伝えることができます。
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どれほど誠意を込めた謝罪メッセージであっても、読まれなければ意味がありません。
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まとめ


謝罪メールで最も大切なのは、相手に真摯な謝罪の気持ちを伝えることです。これに加えて、問題の原因究明と具体的な再発防止策を示すことで、今後の信頼回復に繋がります。
正しい言葉遣いを心がけ、相手の気持ちを配慮した文章によって心からの謝罪の意を伝え、今後の関係修復、そしてより一層の強い信頼関係の構築を目指しましょう。
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