IVRとは?仕組みやメリット、コールセンターでの活用例を解説

IVR(自動音声応答システム)は、コールセンターをはじめとする多くの企業で、電話応対業務の効率化を目的として導入されています。
しかし、自動音声による画一的な対応が顧客の不満につながることもあり、その導入や運用には注意が必要です。この記事では、IVRの基本的な仕組みからメリット、具体的な活用例、そして顧客満足度をさらに高めるためのSMS連携といったアプローチまで、わかりやすく解説します。
目次
IVRとは

IVRとは「Interactive Voice Response」の略で、コンピューターが音声で自動的に応答するシステムです。日本語では「自動音声応答システム」と呼ばれます。顧客からの電話に対し、あらかじめ録音された音声ガイダンスを流し、プッシュボタン操作によって適切な情報提供や担当部署への振り分けを行います。顧客が電話を通じて求める情報へスムーズにたどり着けるよう、ガイドの役割を果たすシステムです。
IVRの仕組み
IVRの基本的な仕組みは、まず電話がかかってきた際に自動音声ガイダンスを流すことから始まります。例えば、「契約のお申し込みは1を、解約に関するお問い合わせは2を、その他のお問い合わせは9を押してください」といったメッセージで、顧客のアクションを促します。そして、顧客がプッシュした番号に応じて、担当部署や特定のオペレーターに電話を転送したり、番号に対応した自動音声を再生して情報を提供したりします。この仕組みにより、電話の一次対応を自動化し、効率的な振り分けを実現します。
IVRとボイスボット(AI自動音声応答システム)の違い
IVRと似たシステムに、ボイスボット(AI自動音声応答システム)があります。IVRがプッシュボタン操作によるシナリオ分岐を基本とするのに対し、ボイスボットはAIによる音声認識技術を活用し、顧客が話す言葉を理解して、より自然で柔軟な会話が可能です。そのため、IVRでは対応が難しいような複雑な問い合わせにも、ボイスボットなら会話だけで解決できるケースがあります。
関連リンク:ボイスボットとは?IVRとの違いや導入のメリットを解説
https://kddimessagecast.jp/blog/ai_ivr_automation/240502/
IVRを使用するメリット
ここでは企業が電話対応のシステムとしてIVRを導入するメリットを紹介します。
常時対応可能になる
IVRを導入すると電話に常時対応できるようになるのがメリットです。電話での問い合わせに24時間365日体制で有人対応をするのは多大なコストがかかりますが、IVRならシステムが24時間いつでも対応できます。オペレーター対応が必要な場合にすぐ繋がらないという不満が生まれる可能性はありますが、自動音声による丁寧な案内を構築することで、顧客の不満を軽減できます。
応答性が向上する
IVRは電話による問い合わせへの応答性を向上させます。電話がかかってきた際、いつまでも繋がらないと顧客は電話を切ってしまいますが、IVRを導入すればシステムが即時に応答し、最初の接点を確保できます。これにより、ビジネスチャンスを逃さない迅速な電話対応が実現可能です。
顧客満足度が向上する
IVRの導入は顧客満足度の向上も期待できます。「話し中で繋がらない」「保留時間が長い」といった顧客のストレスを軽減できるためです。音声ガイダンスによって問い合わせ目的が明確になり、適切な部署のオペレーターに繋がるため、顧客は的確な回答を得やすくなります。たらい回しにされたり、何度も同じ説明をさせられたりするストレスも軽減されるでしょう。
オペレーターの負担が軽減する
IVRにはオペレーターの業務負担を軽減し、効率的な労働環境を整えるメリットもあります。IVRが顧客の用件を事前に振り分けるため、オペレーターは自身の専門知識やスキルに合った問い合わせに集中でき、回答に窮するケースが減少します。また、一次対応をシステムに任せることで、オペレーターはより複雑で丁寧な対応が求められる業務に集中できます。
IVRの活用例

IVRは多岐にわたる活用が進められています。ここでは企業でIVRのメリットを生かしている例を紹介します。
コールセンターの問い合わせ対応
コールセンターでの問い合わせ対応は、IVRの最も代表的な活用例です。特に、荷物の再配達依頼や飲食店の予約受付など、定型的な手続きに特化した窓口で効果を発揮します。これにより、オペレーターはより個別性の高い相談業務に専念できます。
関連リンク:コールセンターの業務を効率化する8つの方法!メリットや成功事例を紹介
https://kddimessagecast.jp/blog/sonota/240810/
不在時の対応
オフィスの休業日や担当者の外出時など、電話に出られない時間帯の機会損失を防ぐ目的でもIVRは活用されます。営業時間外の問い合わせに対して、折り返し連絡の予約を受け付けたり、よくある質問に自動音声で回答したりすることで、顧客満足度の向上に繋がります。
災害情報の発信
IVRは災害情報の一斉配信にも対応しています。地震、津波、台風などの災害発生時に、あらかじめ用意した音声ガイダンスをデータベースのリストに基づき一斉に発信することが可能です。また、住民からの安否確認の問い合わせに対し、自動で情報を提供することもできます。
IVR利用時に検討すること
IVRを利用する際には、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類がある点に注意しましょう。オンプレミス型は自社サーバー上にシステムを構築するため、セキュリティを自社で管理しやすい一方、高額な初期費用や継続的な管理コストがかかります。
対してクラウド型は、サービス提供事業者のサーバー上でIVRを利用する仕組みです。サーバーの準備が不要なため初期費用を抑えやすく、契約後すぐに利用開始できます。システムのアップデートも事業者側で行われるため、常に最新のサービスを利用できるのがメリットです。料金体系は従量制や定額制など様々で、自社の利用規模に合わせて選択できます。
コールセンター業務の効率化ならSMSも効果的!
IVRはコールセンターの業務効率化に有効ですが、自動音声での対応に不満を感じる顧客も少なくありません。そこで、コールセンターの品質と効率を両立させるもう一つの方法としてSMS(ショートメッセージサービス)の活用が効果的です。
SMSは電話番号を宛先にしてメッセージを送信できるサービスです。オペレーターが対応できず電話が繋がらない「あふれ呼」や「待ち呼」の状態でも、SMSなら顧客との接点を維持できます。例えば、着信のあった電話番号宛に「10分後に折り返しお電話いたします」といったSMSを送信することで、顧客は安心感を得られ、満足度の向上に繋がります。
また、SMSはIVRとの相性も抜群です。例えば、IVRのガイダンスに「ウェブサイトでの手続き案内をSMSで受け取る場合は3番を押してください」といった選択肢を追加するだけで、顧客体験は大きく向上します。口頭では伝えにくいウェブサイトのURLや手続きの詳細を、テキストで正確に届けられるため、顧客は自分のタイミングでアクセスでき、企業側はオペレーターの対応時間を削減できます。
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コールセンターの業務効率化にSMSを取り入れるなら、法人向けSMS送信サービス「KDDI Message Cast」が最適です。簡単な操作で多数の顧客へSMSを一斉配信・個別配信でき、コミュニケーションの効率を飛躍的に高めます。IVRシステムとのAPI連携にも対応しており、電話とSMSを組み合わせた高度な自動応答システムの構築をサポートします。
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まとめ
IVR(自動音声応答システム)は、電話での問い合わせに自動で応答し、顧客のプッシュ操作に応じて適切な担当者へ振り分けることで、業務効率化と顧客満足度の向上に貢献するシステムです。24時間対応の実現やオペレーターの負担軽減といった多くのメリットがあります。
一方で、自動音声だけでは解決できない問題や、操作に手間を感じる顧客がいるのも事実です。その解決策として、IVRとSMS送信サービスを連携させることで、電話が繋がらない顧客へのフォローや、URLなどテキストでの情報提供が可能になり、よりきめ細やかな顧客対応を実現できます。「KDDI Message Cast」のようなサービスを活用し、API連携による自動化を進めることで、顧客ニーズに一層応えるコミュニケーション基盤を構築してみてはいかがでしょうか。
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