近年、企業の顧客コミュニケーションにおいてSMS(ショートメッセージ)の活用が広がっています。SMS配信サービスを選定する上で、到達率や開封率は重要な指標となり、それらはメッセージの接続方式に大きく左右されます。

この記事では、SMSの到達率・開封率の目安や、その数値が高い理由、そしてサービスの信頼性を決定づける「キャリア直収接続」などの接続方式による違いについて詳しく解説します。

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SMSの開封率・到達率とは?

SMS配信の効果を測る上で、「到達率」と「開封率」は基本的な指標です。

到達率とは、送信したSMSがエラーにならず、受信者の端末に正常に届けられた割合を指します。電話番号の誤りや、受信者が圏外、電源オフ、受信拒否設定をしているといった要因で到達しない場合がありますが、SMSは一般的に非常に高い到達率を誇ります。

一方、開封率とは、到達したメッセージのうち、受信者が実際にメッセージを開いて内容を読んだ割合のことです。到達率の高さに加え、スマートフォンの通知機能などにより、SMSは開封率も他のツールと比較して高い傾向にあります。

SMSの送信速度と到達時間について

SMS(ショートメッセージサービス)の送信速度は非常に速く、通常は1~5秒程度、最大でも数分程度で送信先に到達します。ただし、具体的な速度は以下の要因によって影響を受けることがあります。

  • 通信ネットワークの状態や時間帯
  • メッセージの内容
  • 送信相手の端末の状態

年末年始や災害発生時など、通信ネットワークが特に混雑している場合、SMSの送信に数分程度かかることがあります。また、メッセージが単純なテキスト情報であれば到達が速い一方、画像や動画を含むMMSや長文メッセージの場合は、若干遅れる可能性があります。

以下の表をみてもわかるように、SMSの送信速度、到達率はともに優れており、他のメッセージングサービスと比べて信頼性が高いとされています。

メディア平均到達時間特徴
SMSほぼ即時(最大1~5分以内)通信網の混雑がない限り、短時間で受信者が確認可能。
LINE即時(最大1~2分以内)メッセージはすぐに届くが、着眼率は受信者の通知設定による。
メール数分〜数時間(最大1日)メールサーバーの状況やスパムフィルタリングの影響を受ける可能性がある。

関連リンク:SMSの6つのメリットとは?マーケティングでのデメリットや活用法も紹介
https://kddimessagecast.jp/blog/sms/sms_merit/

SMSの開封率・到達率が高い理由

SMSが他のコミュニケーションツールと比較して高い到達率・開封率を誇るのには、いくつかの明確な理由があります。ここでは、その主な4つの理由を解説します。

理由1:電話番号は変更されにくいため

メールアドレスは、キャリアの変更や個人の都合で比較的簡単に変更されますが、電話番号は一度取得すると変更する人が少ないという特徴があります。特に、携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度の普及により、通信キャリアを変更しても同じ番号を使い続けられるようになったため、電話番号の永続性はさらに高まりました。これにより、企業は顧客と長期的かつ安定的な接点を持ち続けることができます。

理由2:迷惑メールフィルターの影響を受けにくいため

Eメールは日々大量のスパムメール対策として、通信キャリアやメールサービスプロバイダが強力な迷惑メールフィルターを導入しています。そのため、重要なお知らせであっても意図せず迷惑メールフォルダに振り分けられ、読まれないケースが少なくありません。一方、SMSは電話番号に基づいて送受信されるため、Eメールのような複雑なスパム判定を受けにくく、受信者のメッセージボックスに直接届きやすいという利点があります。

理由3:アプリのインストールが不要なため

SMSは、スマートフォンやフィーチャーフォン(ガラケー)に標準搭載されている基本機能です。LINEのようなコミュニケーションアプリとは異なり、受信者が事前に特定のアプリをインストールしたり、アカウント登録や「友だち追加」をしたりする必要がありません。この手軽さが、幅広い年齢層のユーザーに確実にメッセージを届けることを可能にし、高い到達率を支えています。

理由4:プッシュ通知により気づかれやすいため

SMSを受信すると、スマートフォンのロック画面やホーム画面にプッシュ通知が表示されるのが一般的です。この通知機能により、受信者はメッセージの到着を即座に認識することができます。メールや他のアプリの通知と比べて埋もれにくく、受信者の目に留まりやすいため、結果として高い開封率につながっています。

SMSの接続方式による到達率の違いとは?

SMS送信サービスは大きく分けて、「キャリア直収接続」と「国際網接続」の2種類の接続方式があります。到達率とユーザの見え方に大きく違いがありますので、SMS送信サービスを選定する際に必ず確認することを推奨します。

到達率が高く信頼性の高いキャリア直収接続

「キャリア直収接続」は、NTTドコモ、au、SoftBankといった国内大手キャリアの通信設備とサービス事業者が直接接続してメッセージを送信する方式です。国内の正規ルートを経由するため、通信が安定しており、携帯電話が圏外や電源OFFの場合を除きメッセージが途中で消失することはほとんどありません。その結果、到達率は平均99%以上(※当社実績値)と極めて高い水準を誇ります。

また、近年増加しているフィッシング詐欺への対策として、「キャリア直収接続」では利用前にキャリアによる審査を必須としています。送信元番号や利用用途を事前に審査することで、なりすましを防ぎ、信頼性の高いSMS配信を実現しています。このような高い信頼性を確実に提供するため、KDDI Message Castではこのキャリア直収接続方式を採用しています。

国内直収サービスと連携した「国内網」

「国内網」とは、サービス事業者自身はキャリアと直接接続せず、キャリア直収接続を行っている他の国内SMS配信サービスとシステム連携することでSMSを配信する方式です。この方式も国内の通信網を経由するため、キャリア直収接続とほぼ同等の高い到達率が期待できます。ただし、間に別の事業者を挟むため、連携先のシステム仕様に依存する点や、コストが比較的高くなる可能性がある点がデメリットとして挙げられます。

海外ローミング回線を利用している国際網接続

国際網接続は、海外の通信事業者が提供するローミング回線などを経由してSMSを配信する方式です。この方式の最大の課題は、到達率が不安定であることです。海外からのSMSは受信者側でブロック設定されている場合が多く、迷惑メッセージとしてフィルタリングされる確率も高まります。そのため、メッセージを確実に届けたい場合には不向きなケースがあります。

一方で、キャリアの事前審査がないため導入が容易で、コストが安いという利点もありますが、その手軽さがなりすましに悪用されるリスクも伴います。企業の信頼性を考慮し、KDDI Message Castでは安全性の高い「キャリア直収接続」を採用しています。

SMSの平均開封率と既読確認について

SMSの「開封率」は約80%以上と、非常に高い数値を誇ります。その理由として、宛先が電話番号であることや、スパム認定や迷惑メールフィルタの影響を受けにくい点が挙げられます。

「到達率」と「開封率」の違いは、実際に内容を閲覧したかどうかの違いです。ただし、SMSには既読確認機能がない場合が多く、開封率はメッセージ内のURLクリック数などを基に推定されます。

<SMSの開封率を高める3つのポイント>

  • 短くシンプルに要点を伝える
  • ユーザーが気づきやすいタイミングで送信
  • 具体的なアクションや明確な期日を提示

メール・LINEとSMSの到達率比較

以下の比較表からも、SMSがメールやLINEと比べて圧倒的に高い到達率を誇ることがわかります。

SMSメールLINE
到達率98~99%70~80%90~95%

<SMSに適したビジネスシーン>

SMSは緊急性の高い連絡や短い重要メッセージに適しています。コストがかかるものの、高い到達率が大きな魅力です。ただし、文字数制限があるため、詳細を伝える長文には不向きです。

  • 認証コードの送信
  • 緊急通知

<メールに適したビジネスシーン>

メールは、詳細な情報を伝える長文や、画像・ファイルの添付による資料送付に最適です。ただし、迷惑メールフィルタの影響を受けやすく、到達率は70〜80%程度とやや低めと言えるでしょう。

  • 詳細な情報提供や資料送付
  • 会員向けニュースレターやマーケティング

<LINEに適したビジネスシーン>

LINEは、長文テキストに加え、スタンプや画像・動画などのリッチコンテンツを送信できるため、文字だけでは伝わりにくい情報や説明を効果的に伝えられます。ただし、「友だち追加」の必要性やブロック機能が、到達率や開封率の低下に繋がることがあります。

  • 既存顧客とのコミュニケーション
  • キャンペーン案内
項目SMSメールLINE
到達率★★★★★★★★☆☆★★★★☆
コスト(目安)5~10円/通無料~数円/通5~15円/通
ビジネス適性認証コード・緊急通知に最適詳細な案内や販促に最適コミュニケーション重視に最適
総合評価★★★★☆★★★☆☆★★★★☆

関連リンク:SMSはメルマガより効果的?SMSとメルマガ・LINEの違いも解説!
https://kddimessagecast.jp/blog/sms/sms_mail_magazine/

SMS到達率の測定方法と分析

SMSの到達率、エラー率、送信成功率は、SMS送信プラットフォームが提供する詳細なレポートを通じて計測・分析できます。以下の表では、各指標の業界平均値を示しており、エラー率については特に詳細な分析と対応策が求められます。

  • 配信エラーの分類(番号、キャリア、端末、技術)
    → 対策例:リストクリーニングツールを活用し、無効な番号を事前に削除
  • 時間帯ごとのエラー率解析
    → 対策例:到達率が低下する時間帯を避け、ピークを分散
  • 地域や国別の配信エラー分析
    → 対策例:SMSゲートウェイのプロバイダーを変更
指標業界平均値
到達率85%~95%
エラー率5%~15%
再送信成功率50%~70%
配信遅延率3%~10%

SMSの開封率や到達率に関するQ&A

SMSの着眼率とは?

SMSにおける「到達率」と「着眼率」は意味が異なります。「到達率」はSMSが正しく受信者に届いた割合を指し、「着眼率」は受信者の目に触れた割合を指します。

2010年に実施された英国の調査会社Mobilesquaredの調査によると、SMSの着眼率は約99%に達しています。

開封率との関係は?

「到達率」はSMSが正しく受信者に届いた割合ですが、SMSの「開封率」は配信したSMSを受信者が読んだ割合を指します。

開封率は受信者の関心やメッセージの内容、送信タイミングなどに大きく影響されます。そのため、受信者が必ずSMSを開封するわけではなく、到達率が100%であっても開封率が100%になることはありません。したがって、高い到達率を維持しつつ、開封率を高める施策も重要です。

SMSを使用するメリットは?

ビジネスにおけるSMSの利用には、成約率の向上や顧客満足度の改善など、多くのメリットがあります。

SMSは「国内直収接続」により、他の通信手段(メールなど)よりも高い到達率と送信速度を誇っています。そのため、予約確認、配送通知、緊急連絡(災害情報など)に迅速に対応することが可能です。また、受信者が特別なアプリをインストールしたり、アカウントを作成したりする必要がないため、広範なターゲットに確実にリーチできます。

なお、SMSの文字数制限や表現の幅を超え、より訴求力の高いメッセージを送りたい場合には、SMSの次世代規格であるRCSの活用が有効です。電話番号宛に送れる手軽さはそのままに、下記のようなリッチな表現が可能になります。

  • 画像・動画、スタンプなどリッチコンテンツの配信
  • 最大2,730文字までの長文メッセージ
  • カルーセル形式やボタン設置によるインタラクティブなやり取り
  • ブランドのロゴや名称が表示され、なりすましを防止し信頼性を向上

これにより、商品の魅力をビジュアルで伝えたり、ユーザーの次のアクションを明確に促したりと、マーケティング効果を最大化できます。KDDI Message CastではこのRCS配信にも対応しており、お客様の目的に合わせた最適なメッセージング戦略をサポートします。

まとめ

SMS送信サービスには主に「キャリア直収接続」と「国際網接続」の2つの方式がありますが、顧客へ確実にメッセージを届けたいビジネス用途においては、到達率と信頼性の面で「キャリア直収接続」が圧倒的に推奨されます。接続方式の違いが、メッセージが届くかどうかの成果に直結するため、サービス選定時の重要な確認項目のひとつです。

カテゴリキャリア直収接続国際網接続
到達率
到達率は96%程度
×
送信元表示電話番号
(0120xxなど)
010xx or アルファベット
信頼性
キャリア審査必須
×
キャリア審査なし

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今回はSMSの到達率・開封率と、それを左右する接続方式について解説しました。ビジネスにおけるSMS活用が広がる中、サービスの信頼性はこれまで以上に重要な要素となっています。KDDI Message Castは、KDDIグループが提供する法人向けSMS送信サービスとして、信頼性の高い「キャリア直収接続」を採用しています。

また、2021年からはNTTドコモ、au、SoftBankのキャリア審査を経て発行されるSMS共通番号の提供も開始しました。これにより、なりすましリスクを低減し、お客様が安心してメッセージを受信できる環境を整えています。

参考記事:SMS送受信の共通番号とは?
https://kddimessagecast.jp/blog/sms/post-273/

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この資料でわかること

  • SMSの利用実態と他コミュニケーションツールとの比較
  • ビジネスシーンにおけるSMSの代表的な利用用途
  • 「KDDI Message Cast」の導入事例