MMSは、スマートフォンのメッセージ機能の一つですが、SMSやiMessageとの違いがよくわからない方も多いのではないでしょうか。MMSはキャリアメールのアドレスを使い、写真や動画といったマルチメディアを送受信できる便利なサービスです。

本記事では、MMSの基本的な特徴から、SMSやiMessageなど他のサービスとの違い、具体的な設定方法や送り方までをわかりやすく解説します。MMSが使えない場合の対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

MMSとは?

MMSとは、携帯電話のメールアドレス(キャリアメール)を使って、写真や動画、長文などを送受信できるチャット形式のメッセージサービスで、正式名称は「Multimedia Messaging Service(マルチメディア・メッセージング・サービス)」と言います。

MMSの特徴は、ほぼ無制限の長文テキストを送れるだけでなく、画像、音声、動画ファイルなどの添付に対応していることや、利用料がデータ通信料金に含まれる点です。 また、同じ通信事業者を利用していれば、メールアドレスではなく、携帯番号宛にも送ることができます。

MMS対応のメールアドレス一覧

現在MMSに対応している通信事業者と、それぞれのキャリアメールのアドレス形式は以下の通りです。

通信事業者名アドレス形式
KDDI(au)@ezweb.ne.jp
ソフトバンク@softbank.ne.jp
Y!mobile@ymobile.ne.jp

他のメッセージ機能との違い

MMSと他のメッセージ機能にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、MMSとSMS、iMessage、+メッセージ、そしてRCSを比較し、それぞれの特徴について詳しく解説します。

MMSとSMSの違い

「SMS(ショートメッセージサービス)」は、携帯電話番号宛に短いテキストを送受信できるサービスです。MMSは対応する通信事業者が限られますが、SMSはほぼ全ての携帯電話に標準搭載されており、キャリアが異なってもやり取りできる点が大きな違いです。

また、MMSが写真や動画などのファイルを添付できるのに対し、SMSは基本的にテキストメッセージのみの送受信に限られます。

MMSとSMSの料金

MMSとSMSでは料金体系が異なります。MMSの利用料金は、基本的に契約しているスマートフォンのデータ通信プランに含まれており、送受信するデータ量に応じてパケット通信料がかかります。

一方、SMSはデータ通信料ではなく、送信する文字数に応じて1通ごとに料金が発生するのが一般的です。例えば、70文字までで1通あたり3.3円(税込)といった料金設定が多く、受信は無料です。

SMS(ショートメッセージ)とは?料金や送受信方法をわかりやすく解説 – SMS送信サービス「KDDIメッセージキャスト」

MMSとiMessageの違い

「iMessage(アイメッセージ)」とは、iPhoneやiPadなどのApple端末同士で利用できるメッセージサービスです。送受信できるテキストメッセージに文字数制限はなく、写真、動画、音声、iMessage専用のステッカーなど、さまざまなデータをやり取りできる点が特徴です。

iMessageの使用料金はMMSと同様、データ通信料金に含まれます。ただし、受信側がiMessageに対応していない端末の場合、自動的にSMSなどに切り替わり、送信料が発生することがあるため注意が必要です。

iMessage(アイメッセージ)とは?SMS・MMSとの違いや特徴を徹底解説 – SMS送信サービス「KDDIメッセージキャスト」

MMSと+メッセージの違い

「+メッセージ」は、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社によって開発されたメッセージサービスです。SMSと同様に携帯電話番号を使用して送受信を行いますが、料金はデータ使用料に含まれます。また、長文テキストや画像、動画などの添付ファイルの送受信にも対応しています。

MMSが対応する通信会社は3社に限られているのに対し、+メッセージは現在、上記の3大キャリアに加え、Y!mobileやahamoなどのサブブランド、さらにはMVNOキャリアにも対応しており、利用範囲が広がっています。

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MMSとRCSの違い

「RCS(リッチコミュニケーションサービス)」は、SMSの進化版ともいえる次世代のメッセージ規格です。MMSと同様にマルチメディアコンテンツを送信できますが、特にビジネス活用において、MMSの課題を解決する多くのメリットがあります。

MMSの最大の課題は、利用できるキャリアが限られている点でした。RCSは、この課題をクリアし、将来的にはキャリアを問わず標準的なメッセージ機能となることを目指しています。さらに、表現力や信頼性の面でも大きな違いがあります。

MMSRCS
宛先キャリアメールアドレス電話番号
対応キャリア一部キャリアのみ(au, ソフトバンクなど)全てのキャリアに拡大中
表現力写真、動画の添付高解像度の写真・動画、カード形式、ボタン設置など
送信元表示メールアドレス企業の公式名称、認証マーク
開封確認不可可能

RCSでは、企業の公式ロゴや認証マークを表示できるため、ユーザーはフィッシングなどを警戒することなく、安心してメッセージを開封できます。

また、 写真や動画を送るだけでなく、カルーセル形式で複数の商品を紹介したり、Webサイトへの誘導ボタンや返信の選択肢(チップリスト)を設置したりすることで、ユーザーとの双方向コミュニケーションを円滑に行えます。これにより、SMSと比較して1.5〜2倍という高いクリック率も期待できます。

MMSの表現力と、SMSの到達範囲の広さ、その両方のメリットを兼ね備え、さらに進化させたものがRCSといえるでしょう。「KDDI Message Cast」では、このRCS配信に標準で対応しており、受信者の環境に合わせて自動でSMSに切り替える(フォールバック)機能も備えているため、送り手は相手の環境を意識することなく、最適なメッセージを届けることが可能です。

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MMS機能を有効にする方法

MMSを利用するには、端末のMMS機能を有効にする設定が必要です。ただし、MMS機能を有効にする方法は、使用する端末や携帯電話会社によって異なります。

ここでは、iPhoneとAndroid端末ごとの設定方法を確認していきましょう。

iPhone(iOS)の場合

iPhoneでMMS機能を有効にするには、まず「設定」アプリから「メッセージ」を選択します。次に、表示される画面の指示に従い、「MMSメッセージ」の項目をオンに切り替えます。

その後、「MMSメールアドレス」の欄に使用したいキャリアメールのアドレスを入力すれば設定は完了です。ここで入力するMMSメールアドレスが何か、もしわからない場合は、契約キャリアから提供されたメールアドレス(@ezweb.ne.jpなど)を確認してください。

Androidの場合

AndroidでMMSを利用してメッセージのやり取りを行う場合、Google公式アプリ「メッセージ」や通信会社独自のMMS送受信専用アプリを使用し、キャリアメールを設定します。

なお、MMSメールアドレスの確認・変更方法は各キャリアによって異なります。例えば、ソフトバンクでは、公式アプリ「My SoftBank」で「照会・設定」を選択し、「アドレス設定」からMMSメールアドレスの確認・変更を行います。

MMSの送信方法

なお、MMSの送信方法は、使用する端末によって異なります。ここでは、初めてMMSを使用する方や、送信方法を改めて確認したい方に向けて、iPhoneとAndroidそれぞれの方法を解説します。

iPhone(iOS)の場合

iPhoneでは「メッセージ」アプリを使用して、次の手順でMMSを送信します。

  1. ホーム画面から「メッセージ」アプリをタップします。
  1. 画面右上に表示される新規メッセージアイコンを選択します。
  1. 宛先のアドレスを直接入力するか、画面右側の+マークから宛先を選択します。
  1. メッセージを入力し、送信ボタンをタップすれば送信完了です。

Androidの場合

Androidでは、まずGoogle公式アプリの「メッセージ」や通信会社独自のMMS送受信専用アプリなど、デフォルトのアプリを選択します。

メッセージの送信方法は、使用するアプリによって異なりますが、一般的にはアプリを開き、メール作成ボタンをタップして宛先とメッセージを入力後、送信ボタンで送信します。

MMSが使えない時に確認すること

MMSでメッセージを送信しようとしても、送信できない場合があります。ここでは、MMSが使えないときや送信エラーが表示される場合の確認ポイントを解説します。

設定が間違っていないか

MMSが使えない理由として、次のような設定の問題が考えられます。まずは、自分のMMSメールアドレスが正しく設定されているか確認し、その後、宛先のアドレスや宛先の状態を再確認してみましょう。

  • メッセージアプリにMMSのアドレスが設定されていない
  • 送信先で迷惑メールに設定されている
  • 宛先に電話番号を入力している

MMSが利用できないキャリアもある

MMSは全ての携帯キャリアで利用できるわけではありません。2025年10月現在、MMSサービスを提供しているキャリアと、提供していない主なキャリアは以下の通りです。

【MMSが利用できるキャリア】

  • au (KDDI)
  • ソフトバンク
  • Y!mobile (ワイモバイル)

【MMSが利用できない主なキャリア】

  • NTTドコモ
  • 楽天モバイル

ご自身やメッセージの送信相手がNTTドコモや楽天モバイルなどのMMS非対応キャリアを利用している場合、MMSでのやり取りはできません。その場合は、後述する他のメッセージサービスを利用する必要があります。

MMSの代わりに使えるメッセージ

MMSが利用できない場合でも、MMSと同じように便利に使えるメッセージサービスはいくつかあります。ここでは、MMSの代わりに使えるメッセージサービスを3つ紹介し、それぞれの特徴について解説します。

LINE

「LINE」は、スマートフォンやタブレット、パソコンでやり取りできる人気の高い無料メッセージアプリです。画像や動画ファイル、LINE専用の絵文字やスタンプなどを気軽に送受信できます。

LINEでメッセージを送るには、送信先を自分の「友だちリスト」に登録するか、送信先に自分を登録してもらう必要があります。

ただし、LINEにはセキュリティ面での課題もあります。スマートフォンのアドレス帳と「友だちリスト」を同期できるため、設定ミスによって知らない人からメッセージが届くことがあります。

+メッセージ

「+メッセージ」は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社によって開発されたメッセージアプリです。携帯電話番号を使用し、長文テキストや画像、動画ファイルを添付したメッセージのやり取りができる点が特徴です。

ただし、+メッセージの利用は、上記の3大通信会社やY!mobile、ahamoなどのサブブランド、さらにMVNOでSMS契約をしている携帯番号に限られます。また、iPhoneには+メッセージアプリが標準搭載されていないため、インストールが必要です。

SMS

SMSは、携帯電話番号宛に短いテキストメッセージを送受信できるサービスです。すべての携帯電話に標準搭載されているため、特別な手続きやアプリのインストールは不要です。

ビジネスシーンでは、メールが他の情報に埋もれて開封されない、電話をかけても繋がらないといった課題を解決する手段として活用されています。携帯番号の変更頻度が低いことや、受信時にポップアップ通知が表示されることから、メール等に比べて圧倒的に到達率・開封率が高いのが大きな強みです。

これらの特徴から、本人確認のような重要な通知だけでなく、コストを抑えつつ顧客へ確実に情報を届けたい企業の多くが、プロモーションや督促、予約のリマインドなどにSMSを活用しています。

RCS

「RCS(リッチコミュニケーションサービス)」は、SMSの進化版として、電話番号でリッチなコンテンツを送付できる法人向けサービスです。従来のSMSでは難しかった画像や動画、長文メッセージ、さらにはURLボタンの設置などが可能になり、顧客との双方向コミュニケーションを促進します。企業の公式ロゴや認証マークを表示できるため、メッセージの信頼性が高く、開封率やクリック率の向上が期待できます。

RCSは、SMSの高い到達率とMMSの豊かな表現力を兼ね備えており、ビジネスにおける顧客コミュニケーションを大きく改善する可能性を秘めています。

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

「KDDI Message Cast」は、高い到達・開封率を誇り、MMSよりも幅広い宛先にリーチできるSMSを、法人利用でさらに効果的に活用するためのSMS送信サービスです。

国内キャリアとの直接接続による高い配信品質を誇り、お客様への重要なお知らせを確実に届けます。最大660文字の長文を一度に配信可能なため、伝えたい情報を分かりやすく届けられます。

さらに、テキストのみのSMSだけでなく、画像や動画、URLボタンなどを活用して視覚的な訴求ができる次世代メッセージサービス「RCS」の配信にも対応。MMSのように豊かな表現力と、SMSの高い到達率を両立し、SMSと比較して1.5〜2倍高いクリック率が期待できます。

SMSの効果を実感できる無料トライアルもご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

MMSは、対応キャリアのメールアドレスで写真や動画を送受信できる便利なサービスですが、利用できるキャリアが限られる点に注意が必要です。

一方でSMSは、ほぼ全ての携帯電話で利用でき、ビジネスにおける「顧客に情報が届かない」という課題を解決する非常に有効な手段です。各メッセージサービスの特徴を理解し、用途や相手の環境に応じて使い分けることが、円滑なコミュニケーションの鍵となります。

「KDDI Message Cast」は、SMSの高い到達率を最大限に活かす法人向けサービスです。最大660文字の長文配信や、画像・動画で訴求力を高めるRCSへの拡張も可能で、お客様とのコミュニケーションを次のレベルへと引き上げます。初期費用・月額費用0円から始められ、まずは効果を試せる無料トライアルもございますので、ぜひご検討ください。