顧客満足度の調査や従業員の意識調査、マーケティングリサーチなど、ビジネスの現場では様々な目的でアンケートが実施されています。アンケートを実施する上で課題となるのが「回収率」です。どれだけ多くの対象者にアンケートを送っても、回答が集まらなければ意味がありません。

本記事では、アンケート回収率の定義や重要性、回収率が下がってしまう原因、そして回収率を高めるための具体的なポイントを解説します。また、到達率の高いSMS(ショートメッセージ)を活用した成功事例も紹介します。

アンケート回収率とは

アンケート回収率とは、アンケートを配布・配信した総数に対して、回答が得られた割合のことです。

一般的に以下の計算式で算出されます。

回収率(%)=(回収数 ÷ 配布数) × 100

例えば、1,000人にアンケートを配信し、300人から回答があった場合、回収率は30%となります。

アンケート調査には、Webアンケート、郵送調査、電話調査、街頭調査など様々な手法がありますが、どの手法においても回収率は調査の信頼性を左右する重要な指標です。

統計的な信頼性との関係

アンケート結果を統計的に信頼できるデータとして扱うためには、一定数のサンプル(回答数)が必要です。母集団(調査対象全体の人数)に対して十分な回答数が集まらない場合、その結果は「回答してくれた一部の人たちの意見」に偏っている可能性があり、全体像を正確に反映していないリスクがあります。例えば、こども家庭庁が実施している「青少年のインターネット利用環境実態調査」などの公的な調査でも、回収率は調査の品質を判断する重要な要素として扱われています(参照:こども家庭庁)。

なぜアンケートの回収率が重要なのか?

アンケートの回収率が重要視される主な理由は以下の3点です。

1. データの精度と信頼性の向上

前述の通り、回答数が多ければ多いほど、データの精度は向上します。回収率が低いと「回答しなかった人」の意見が反映されず、結果にバイアス(偏り)が生じる可能性があります。例えば、商品に対する不満を持つ人ほど回答しやすい、あるいは逆にファンしか回答しないといった状況が起きると、実態とは異なる分析結果になってしまいます。

2. コスト対効果(ROI)の最適化

アンケートの実施には、システム利用料、郵送費、謝礼、担当者の人件費などのコストがかかります。回収率が低いと、1件の回答を得るためにかかったコスト(CPA)が高くなり、費用対効果が悪化します。高い回収率を維持することは、調査コストの適正化にもつながります。

3. 顧客エンゲージメントの可視化

顧客向けのアンケートにおいて、回収率は「顧客との関係性」を図るバロメーターでもあります。回収率が高いということは、それだけ企業やブランドに対して関心を持ち、意見を伝えたいと考えている顧客が多いことを示唆しています。SMSは到達率・開封率が高く、確実に顧客に届くメッセージング手段です。SMSの到達率・開封率が高い理由については「SMSのメリット」で詳しく解説しています。

アンケート回収率の平均と目安

「どのくらいの回収率があれば成功なのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。しかし、アンケートの回収率に絶対的な正解はなく、実施方法や対象者によって大きく異なります。

海外の調査会社Pointerproのデータによると、アンケートの平均的な回答率は33%程度とされています(参照:Average survey response rate: benchmarks & tips)。

一般的な目安としては以下の通りです。

  • 従業員満足度調査(社内): 70%〜90%
  • 顧客満足度調査(既存顧客): 10%〜30%
  • 市場調査(一般消費者): 1%〜10%

関係性が深い相手(従業員やロイヤルカスタマー)ほど回収率は高く、関係性が薄い相手(見込み顧客や一般消費者)ほど低くなる傾向があります。また、郵送調査よりもWebアンケートの方が手軽に回答できる反面、メールに埋もれて気づかれないケースもあり、手法による差も考慮する必要があります。

アンケート回収率が下がる原因

アンケートの回収率が伸び悩む場合、主に以下のような原因が考えられます。

1. アンケートの存在に気づいていない

メールマガジンや郵送DMでアンケートを依頼しても、そもそも開封されていないケースです。特にメールは日々大量に届くため、件名で興味を引けなければ開封されずにゴミ箱行きになることも少なくありません。

2. 回答にかかる手間が多い

「設問数が多すぎる」「記述式の回答が多い」「レイアウトが見づらい」といったアンケートは、回答の途中で離脱される(回答完了率が下がる)原因になります。スマートフォンで回答しにくいデザインも離脱の大きな要因です。

3. ユーザーにとってのメリットがない

回答者にとって、時間を割いてアンケートに答えるメリットが提示されていない場合、協力率は下がります。「サービス向上のため」という企業側の理屈だけでなく、回答者にとってのベネフィットが必要です。

4. 配信タイミングが不適切

ターゲットユーザーが忙しい時間帯や、商品・サービスを利用してから時間が経過しすぎたタイミングでの配信は、回答意欲を低下させます。

アンケート回収率を上げる7つの方法

では、具体的にどのように回収率を上げればよいのでしょうか。効果的な7つのポイントを紹介します。

1. 目的と所要時間を明記する

依頼文の冒頭で「何のためのアンケートか」「回答に何分かかるか」を明確に伝えます。「所要時間は約3分です」と具体的に記載することで、心理的なハードルを下げることができます。

2. 設問数を絞り、回答しやすくする

必要最低限の設問数に絞りましょう。基本は選択式にし、記述式の設問は最小限に留めます。また、スマートフォンでも快適に回答できるレスポンシブデザインに対応させることは必須です。

3. インセンティブ(謝礼)を用意する

「回答者全員にクーポン配布」「抽選でギフト券プレゼント」などのインセンティブは、強力な動機付けになります。ただし、謝礼目当ての質の低い回答が増えるリスクもあるため、調査目的に応じて判断が必要です。

4. 最適なタイミングで配信する

対象者のライフスタイルに合わせて配信時間を調整します。B2Bなら平日の日中、B2Cなら通勤時間帯や夜間、休日などが一般的ですが、自社の顧客データを分析して最適な時間を見つけることが重要です。

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5. リマインドなどのフォローアップをする

アンケートの回収率を上げるにはリマインドをしたり、フォローアップをしたりして積極的にターゲットにアプローチすることがコツです。アンケートを送付した時点ですぐに答えてもらえなかったとしても、追加配信や回答を促すメッセージを送るだけで回答をもらえる可能性が上がります。すぐに読んでもらえるSMSでフォローアップをするのは効果的な方法です。

実際に星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート様では、SMSで事前アンケートのリマインドを実施することで、アンケート回答率80%→94%へ14%向上、電話架電工数削減を実現しています。

詳細は「星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート様の導入事例」をご覧ください。

6. 配信チャネルを見直す(SMSの活用)

メールや郵送で効果が出ない場合、配信手段を変えてみるのも一つの手です。特に到達率・開封率が高いSMS(ショートメッセージ)は、アンケートの依頼やリマインドに非常に効果的です。

7. 匿名性を保証する

センシティブな内容を含む場合や、正直な意見を求めたい場合は、匿名での回答が可能であることを明記し、プライバシーへの配慮を示すことで安心して回答してもらえます。

アンケートを配信するならSMSで!

アンケートの実施にはSMSが便利です。到達率・開封率が高く、アプリインストールなどの手間もありません。

SMSでアンケート回答率を具体的に向上させる方法について、詳しくは「SMS×アンケート 回答率を上げるためには?」をご覧ください。

ここではSMSのアンケート配信での活用事例を紹介します。

KDDI株式会社

KDDIでは、auショップに来店されたお客様に対して、翌日にSMSでアンケートを配信しています。以前は電話で調査を行っていましたが、SMSに切り替えたことで、お客様の時間を拘束することなく、より多くの声を収集できるようになりました。
詳しい導入事例は「KDDI株式会社様の導入事例」をご覧ください。

株式会社デジロウ

株式会社デジロウでは、アンケートシステムとSMS認証を連携させ、回答者の本人確認を行っています。SMS認証を導入することで、「一人一回のみ」の回答制限を厳密に実施でき、重複回答やなりすましを防いでデータの信頼性を高めています。
詳しい導入事例は「株式会社デジロウ様の導入事例」をご覧ください。

日本カーネット株式会社

自動車整備システムを提供する日本カーネット株式会社では、車検や点検の案内とともにアンケートURLをSMSで送信しています。ハガキでの案内と比較してコストを削減しつつ、お客様からの反応率を向上させています。
詳しい導入事例は「日本カーネット株式会社様の導入事例」をご覧ください。

auフィナンシャルサービス株式会社

クレジットカード事業を展開するauフィナンシャルサービスでは、督促業務の一部にSMSを活用しています。電話がつながらないお客様に対してSMSで連絡することで、折り返しの連絡率が向上し、業務効率化につながっています。アンケートにおいても、SMSの高い到達率を活用して顧客の声を集めています。
詳しい導入事例は「auフィナンシャルサービス株式会社様の導入事例」をご覧ください。

神戸市看護大学

神戸市看護大学様では、SMSを活用したアンケート配信により、全体回答率3%向上、教員回答率10%向上を実現しています。
詳しい導入事例は「神戸市看護大学様の導入事例」をご覧ください。

まとめ

アンケートの回収率は対象者数に対する有効回答者数の割合です。回収率が高いほど信頼性のある統計データになるため、市場調査では工夫をして回収率を上げることが重要です。アンケートの回収率を上げるには質問項目、実施方法、配信対象などを考えて設計する必要があります。SMSは個別性が高くて到達率・開封率が高いことから、アンケートに有効なツールです。SMSによるアンケート配信やリマインドをして回収率を上げましょう。

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