電話番号の仕組みとは|090・080から始まる理由やパターンを解説

自宅の電話や携帯電話などを契約すると、自動で割り振られる電話番号。無差別な番号の羅列に見えますが、実はこの割り振り方にはルールがあります。
普段あまり考えることのない電話番号のルールを、少し覗いてみませんか?
本記事では、固定電話から携帯電話、国際電話まで、電話番号の基本的な仕組みから、ちょっと気になる疑問まで分かりやすく解説します。
目次
電話番号の仕組みとは?

電話番号とは、回線ごとに割り当てられた、互いの電話をつなぐための住所のような番号です。
電話には、自宅やオフィスで使われる固定電話や、外出先でも通話ができる携帯電話、インターネット回線を利用するIP電話などがあります。これらの番号は、回線ごとに一定のルールに基づいて割り振られており、国内では重複することのない番号です。
電話番号が090や080から始まるのはなぜ?
2025年現在、携帯電話番号は「090」や「080」、「070」から始まる11桁の番号が使用されています。この最初の3桁の数字は、携帯電話の通信サービスに割り当てられた番号です。
かつて、携帯電話番号は10桁で構成されていましたが、爆発的な利用者の増加に伴い11桁の番号に変更されました。また、11桁になった当初は、携帯電話は「090」、PHSは「070」で統一されていましたが、再び番号不足が懸念され「080」から始まる番号も携帯電話番号に割り振られるようになり、さらにPHSサービスの縮小に伴い「070」も携帯電話に転用されるようになりました。
なお、「0X0」で始まる電話番号を利用しているのは携帯電話だけではありません。「010」は、国際電話をかける際に使用します。また、「050」はIP電話に割り当てられています。
電話番号は実はこんな仕組み
電話番号は、国や地域、電話の種類(固定電話や携帯電話など)を識別するためのルールに基づいて割り当てられており、総務省によって管理されています。
例えば、固定電話の番号は以下のように構成されています。
「0+市外局番」-「市内局番」-「加入者番号」
番号の最初の「0」は国内通話を表す番号です。その後に市外局番(東京23区であれば「3」)が続きますが、これらを区切りなくひとつの市外局番と認識している人が多いと思います。
市外局番は地方、都道府県、市区町村などの地域を識別する番号、市内局番は電話会社(電気通信事業者)ごとに指定された番号です。ここまでは、総務省によって割り当てられています。最後の4桁の加入者番号は、総務省の監督のもと、電話会社が利用者に割り当てます。
詳しくは、総務省HP「電気通信番号制度」をご確認ください。
電話番号のいろんなパターン
固定電話のほかにも、携帯電話や緊急通報用などの番号が、それぞれのルールによって定められています。
0○0で始まる番号(例:050、090など)は、携帯電話やIP電話の電話番号に利用されています。また、最初の4桁が0○○0の番号(例:0120、0800など)は、フリーダイヤルやナビダイヤルといった、電話会社が提供する特別な電話サービスに使われています。「1」から始まる番号(例:110、119)は、緊急性、公共性、安全性に関わる重要なサービスに使われています。
なお、携帯電話の番号は、最初の6桁までが総務省から各キャリアに割り当てられた番号で、その後に続く5桁の番号が、各キャリアによって契約者に割り当てられる番号です。
例:090-123(キャリア識別番号)-45678(契約者に割り当てられた番号)
市外局番とは?


市外局番は、国内通話を意味する「0」に続く、1桁から4桁の数字です。最初の1桁が大きく分けた地方を表しており、北海道や東北地方の「1」から九州地方の「9」まで順に割り当てられています。さらに都道府県、市区町村単位でより細かく分類され、2桁や3桁の数字が割り当てられる仕組みです。この番号は、同じ市外局番の電話にかける際は省略することができます。
以下は、各地域で使用されている市外局番を2桁まで表示したものです。


また、市内局番は、総務省が電話会社(電気通信事業者)ごとに指定しています。1〜4桁の数字が使用されており、市外局番と合わせて5桁になるように割り振られています。
知ってた?03は東京、06は大阪の理由
先ほどの地図でもわかるように、市外局番の1桁目は、一部の都市を除いて複数の都道府県にまたがって使用されています。そのなかで、「3」と「6」だけは、東京23区や大阪市およびその周辺地域に限定して割り当てられています。なぜなら、これらの都市の人口が多く、電話回線の加入者も多いためです。
また、市内局番と市外局番の桁数は合わせて5桁というルールがあり、市外局番が短いほど市内局番に割り当てられる桁数が増え、その分だけ多くの電話番号を活用できます。このため、人口の多い都市ほど市外局番が短く、人口の少ない地域ほど市外局番や市内局番の桁数が増える傾向があります。
各地区の市外局番は、以下のページで確認することができます。
総務省HP「市外局番の一覧」
国際電話番号とは?「+」の意味は?
国際電話をかける際は、次のような形式になります。
「010(国際通話であることを示す番号)」-「国番号(例:日本:81、アメリカ:1)」-「相手の電話番号」
世界中の国々にはそれぞれ固有の国番号が割り当てられており、010の後にその国番号を入力することで、目的の国に電話が繋がります。このとき、「相手の電話番号」が「0」で始まる場合は、最初の「0」は省略します。たとえば、海外から日本の『03-123-45678』という電話番号にかける場合は『010-81-3-123-45678』となります。
このとき、相手の電話番号の表示には『+ 81-3-123-45678』と表示されます。この「+」は、「010」と同じく国際通話であることを表す国際コードです。日本で契約した携帯電話を使って海外から日本に電話をかけた場合、発信元が海外であっても、同じように『+ 81-3-123-45678』と表示されます。
以下のリンクは国番号一覧です。海外へ電話をかける際はご利用ください。
au公式HP「国番号一覧 | 海外へかける(au国際電話サービス)」
電話番号はいつか枯渇する?


固定電話の契約は年々減少しており、番号が不足する心配はほとんどありません。
一方で、携帯電話は急速に普及し、今や1人1台の時代となりました。携帯電話番号の利用率は70%を超えており、将来的に使用可能な番号が枯渇する可能性があります。そこで総務省は、「令和8年7月以降「060」から始まる携帯電話番号の利用を可能にする」と発表しました。これにより、9,000万件の新たな番号が利用可能になります。
また、携帯電話会社は、解約された番号を一定期間保留した後、再び新規契約者に割り当てており、電話番号は常に効率的に活用されています。
このように、電話番号は総務省によって計画的に管理されており、新たな携帯電話取得が難しくなることはないでしょう。
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携帯電話番号は、ルールにのっとって割り当てられたユニークな番号です。
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まとめ
電話番号には、さまざまな意味や規則が含まれています。
電話による詐欺やトラブルが増えている昨今、電話をかけてきた相手の情報は非常に重要です。その仕組みを理解することで、不審な電話を受けた際に冷静に対応する手がかりとなるかもしれません。
これを機に、ぜひ自身の電話番号の意味を紐解いてみてください。