フィッシング詐欺による被害が相次いでいるという話を聞いたことがある方も多いでしょう。フィッシング詐欺は手口が多様化してきていて、SMSも利用されるようになっています。SMSを利用する上では、フィッシング詐欺について認識して対策することが重要です。この記事ではフィッシング詐欺の概要と手口、具体的な対策の方法について解説します。被害に遭わない方法を理解するだけでなく、フィッシング詐欺と疑われないための方法も考えてみてください。

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目次

そもそもフィッシング詐欺とは?

フィッシング詐欺とは字義的にはカモを洗練された方法で釣り上げる詐欺行為です。詐称をしてEメールやSMSなどでアプローチし、メッセージにURLへのリンクを設けているのが典型的なフィッシング詐欺です。そのURLからホームページにアクセスさせ、個人情報やアカウント情報、クレジットカード情報などを盗み出しています。

フィッシング詐欺は電子メールを使うのが主流でしたが、SMSで短縮URLを記載してサイトに誘導するケースが増えてきました。フィッシングサイトにアクセスして促されるままに情報を入力してしまうと、その情報が相手の手に渡ってしまって悪用されるのがフィッシング詐欺の特徴です。

関連リンク:スミッシングとは?主な手口やリスク、被害事例、有効な対策を徹底解説

最新のフィッシング詐欺事例と傾向

以下は、2025年1月時点で報告されている、最新のフィッシング詐欺の被害事例です。

手口確認されている偽サイト対策のポイント
au PAY偽のキャンペーンサイトからログインさせ、個人情報を不正取得する。https://the7aware●●●●.com/https://santale●●●●.com/https://chang●●●●.com/
ほか多数
KDDIに申告すると、調査の結果により補償される。
えきねっと偽のサイトリニューアルのお知らせからログインさせ、個人情報を不正取得する。https://www.n●●●●.club/https://w●●●●.tech/https://●●●●.s3.ap-northea
ほか多数
「えきねっと」サイトから「パスワード変更」または「アカウントの退会手続き」を行う。
レイク (新生フィナンシャル)「資産が危険にさらされている」などの言葉で煽り、偽ログイン画面に個人情報を入力させる。https://jy●●●●.com/https://ob●●●●.com/https://sc●●●●.com/
ほか多数
公式サイトにあるSMSの発信番号、メールアドレスを確認する。

参照:フィッシング対策評議会

フィッシング詐欺の手口の詳細

フィッシング詐欺は、私たちの生活に深刻な脅威を与える犯罪として、近年ますます巧妙化し、増加傾向にあります。

2023年のフィッシング被害の報告件数は過去最高の100万件を超え、前年度と比較して約1.23倍増加しています。さらに、2024年には右肩上がりの増加傾向がみられます。

2023年度 被害件数

参照:フィッシング対策評議会

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2024(個人)」では、2019年以降6年連続でランクインしており、その影響の大きさが伺えます。また、2023年度には、違法に入手したID・パスワードの不正利用による被害件数が5,147件、被害額は約80.1億円に達しており、フィッシング詐欺が我々の生活に深刻な脅威をもたらしていることがわかります。私たちは、フィッシング詐欺について正しい知識を身につけ、日常的に警戒する必要があります。

では、近年のフィッシング詐欺の手口について、詳細に見てみましょう。

SMSを利用した手口

フィッシング詐欺の新しい手口として近年になって急増してきたのがSMSを利用するアプローチです。SMSが届いたので内容をチェックしてみると、アカウントの不正アクセスに関する連絡や、宅配業者からの不在通知、サービスの利用料金の請求だったというのが典型的なものです。このような情報の通達に、企業がSMSを活用するケースが増えてきたことに着目して悪用されています。

フィッシング詐欺のSMSでは短縮URLが記載されていて、手続きをするためにそのURLにアクセスするように促されるのが一般的です。すぐにアクセスして手続きを進めるように危機感を煽るようなメッセージになっていることが多くなっています。SMSは数字をランダムに設定するだけで不特定多数の人に送れるので、フィッシング詐欺での被害が増えてきているのが現状です。

Eメールによる手口

フィッシング詐欺はEメールによる手口が主流です。フィッシング詐欺ではフィッシングサイトに誘導するのが基本なので、Eメールでサイトアクセスを促すアプローチが昔から頻繁に使われてきました。クレジットカードの支払いが滞っている、あるサービスの利用料金が未払いになっているといった内容で不安を煽ったり、懸賞に当選したという内容でサイトアクセスを促したりするのが典型的です。

フィッシング詐欺のメールでは大手企業の名前を詐称していることもよくあります。URLは短縮URLを使ってわからないようにしたり、大手企業の名前を“文字って”いることも多く、本物だと誤解してしまったりしてフィッシングサイトにアクセスして被害に遭う事例も少なくありません。特に支払いの督促などのメールでは冷静さを失ってフィッシング詐欺に遭いがちです。

SNSを利用する手口

多くの人と気軽につながりが持てるツールであるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使ったフィッシング詐欺も多発しています。

X(旧Twitter)

  • 個人・企業アカウントの乗っ取りが増加中。
  • 乗っ取られたアカウントを使い、詐欺サイトへのリンクを投稿。
  • 2024年には米サイバーセキュリティ企業Mandiantのアカウントが乗っ取られ、暗号資産詐欺サイトへの誘導被害が発生。

Instagram

  • 「著作権侵害」を理由に、偽メールでアカウント凍結を脅す手口が多発。
  • 偽サイトに誘導し、Instagram認証情報を入力させるフィッシング詐欺が横行。

Facebook

  • 詐欺被害報告の約51%がFacebook経由(米国連邦取引委員会調べ)。
  • 好待遇のリモートワーク求人を装い、個人情報や審査料を詐取するフィッシング詐欺が多発。

ウイルス感染による誘導

フィッシング詐欺としてウイルス感染をしているという通知をするアプローチもあります。コンピューターウイルスへの感染の懸念は、多くの人が持っています。その点を逆手に取り、ウイルスに感染しているからすぐに対処が必要だと通知する詐欺が横行しています。メールやSMSだけでなく、インターネットブラウザでサイトのブラウジングをしているときにもあるパターンです。

典型的なのは、ウイルスに感染していることがわかったのでこのURLから駆除ソフトを導入するように、この電話番号にかけて対処するようにといった呼びかけをする方法です。すぐに対応しないととんでもないことになると思わせるメッセージになっているため、URLにアクセスしたり電話をかけたりしてフィッシング詐欺に遭うケースが多発しています。

リアルタイムフィッシング

リアルタイムフィッシングとは、利用者が偽サイトに入力したIDやパスワードなどの個人情報が即座に悪意ある第三者に送信される手口です。情報セキュリティ10大脅威にも位置づけられています。2021年にはNTTドコモの利用者がリアルタイムフィッシングで、約1億円分のギフトカードを不正に購入される被害が発生しました。

この方法では、利用者に偽の二段階認証入力画面を表示し、その間に攻撃者が受け取った情報を使用して決済や振込を実行します。利用者は正規の二段階認証用パスワードを入力しますが、それも瞬時に悪用者に渡り、さらに深刻な被害が発生します。この手口は迅速かつ巧妙に個人情報を悪用する点が特徴です。

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フィッシング詐欺にはどんな特徴がある?見分け方は?

フィッシング対策協議会の最新データによると、フィッシング詐欺の手口は年々巧妙化しており、特に公式のロゴやデザインを模倣して大手企業や金融機関を装ったフィッシングメールやSMSが増加しています。また、個人情報や認証情報を入力させる偽のウェブサイトへの誘導も確認されています。

フィッシングメールやウェブサイトを見分けるためのチェックリストをまとめました。

特徴対策注意点
差出人のメールアドレスが公式と異なるメールアドレスを慎重に確認し、公式サイトの連絡先と照合する巧妙に似せたアドレスの場合もあるため、細部まで確認
緊急性を強調し、個人情報の入力を求める直接公式サイトにアクセスし、同様の通知があるか確認するリンクを直接クリックせず、ブラウザで公式サイトにアクセス
リンク先のURLが公式と異なる、または不自然リンクにマウスオーバーしてURLを確認し、不審な場合はアクセスしないHTTPSで始まるからといって安全とは限らない
本文に不自然な日本語や誤字脱字がある文面の不自然さや誤字を注意深くチェックする自動翻訳を使用した不自然な文章の場合が多い
添付ファイルの拡張子が.exeや.zipなど不要な添付ファイルは開かず、送信元に確認する開封によりマルウェア感染のリスクがある

本物と違うURL

フィッシング詐欺では本物のURLと誤解するように工夫しています。アルファベットの「O(オー)」と数字の「0(ゼロ)」といった形で、フォントによっては区別するのが難しい置き換えをしているケースがよくあります。典型的な騙し方をまとめると以下の通りです。

  • 「O」と「0」と「Q」(大文字のオー、数字のゼロ、大文字のキュー)
  • 「I」と「l」と「1」(大文字のアイ、小文字のエル、数字のイチ)
  • 「B」と「8」(大文字のビー、数字のハチ)

また、テキストメールではエンコード方式をUnicodeなどに指定したり、HTMLメールではフォントを変更したりして見間違えやすくしている巧妙なフィッシングメールもあります。

本物のURLを記憶していることはあまり多くないでしょう。フィッシング詐欺では本物と思い込ませるようにURLを作成している場合もあります。企業やサービスの名称が含まれるURLが記載されていたら本物のURLと考えがちですが、フィッシング詐欺では、本物とは違うけれど、URLの文字だけ見ると疑わないようなアドレスを記載する手口も多くなっています。普段送られてくるのとは違うメールだったら安易にURLをクリックしないようにしましょう。

不安を煽る内容

フィッシング詐欺では、すぐにクリックしなければならない、対応をしなければならないと思い込ませるように不安を煽る内容を含んでいることが多くあります。すぐに行動を起こす必要があると思わせるメールの内容としては以下のような例があります。

  • 不正アクセスが検知されたため、アカウントが一時停止されています。ロックを解除するには以下のURLから手続きをしてください。
  • 一定期間のログインがなかったためアカウントが凍結されました。解除の手続きには以下のページから申請をお願いします。
  • クレジットカードの決済ができませんでした。アカウント情報を確認して正しいカード情報にご変更ください。
  • 支払い情報の登録が必要です。速やかに登録しない場合には今後のご利用が制限されます。
  • 荷物をお届けに参りましたが不在でしたので持ち戻りました。再配達をご希望の際には以下のURLからお手続きください。

特にURLのクリックや個人情報の入力を促す流れになっているのが特徴です。メールを読んでいて不安になったときにはメール内のリンクはクリックせず、当該のサービスをネット検索して手続きをしたり、問い合わせをしたりするのが安全です。

不自然な日本語

フィッシング詐欺では自動生成した日本語や、海外の言語を自動翻訳した日本語が使われていることがよくあります。読んでいて違和感があるときには、フィッシング詐欺の可能性が高いと考えられます。

  • アカウントに異常ログインされたことがありました。
  • 会員登録の未納料金が発生しております。
  • このメールは返信しても届きません。

落ち着いてよく読んでみるとどれもフォーマルなメールの日本語として自然ではありません。「アカウントの異常ログインが検知されました。」「会員料金について今月分が未納になっております。」「このメールは送信専用です。」といった表現が自然でしょう。慌てていると不自然さに気付かないことが多いので注意が必要です。

個人情報の入力を促す

最近のフィッシングサイトは、本物のウェブサイトを模倣した精巧な入力フォームを使用している場合があります。HTTPSの証明書も取得して鍵マークを表示し、一見しただけでは本物と見分けがつきにくいものも多くあります。さらに、正規サイトと同じような入力チェック機能や確認画面なども実装され、ユーザーの警戒心を巧みに解いて個人情報を詐取しようとしています。

さらに、入力フォームへの誘導方法として、リンクやボタンに加え、近年普及しているスマートフォンを利用したQRコードの読み取りを利用した詐欺も確認されています。QRコードは一見便利ですが、その中に埋め込まれたURLが偽サイトである可能性もあるため、十分な注意が必要です。

フィッシング詐欺で狙われやすい個人情報とは?

フィッシング詐欺で狙われやすい個人情報と、その情報が盗まれることで何が起こる可能性があるのかについて解説します。

①個人情報

  • 「氏名」「生年月日」「住所」「電話番号」はなりすましの際に利用されます。
  • 「メールアドレス」を使ってパスワードをリセットさせる
  • 「運転免許証」「パスポート」の画像を使って金融機関の手続きに悪用する

対策:不審なサイトやメールには情報を入力しない

②金融情報

  • 「クレジットカード番号」「有効期限」「セキュリティコード」で不正な買い物をされる。
  • 「銀行口座番号」「暗証番号」で不正引き出しや送金に使われる。

対策:ワンタイムパスワードなどの二段階認証を利用する

③認証情報

  • 「ログインID」「パスワード」は不正アクセスに利用されることがあります。

対策:クレジットカードの明細書を定期的に確認する

2024年の最新フィッシング詐欺被害事例

以下は、フィッシング対策協議会が公表している最新のフィッシング詐欺事例の一覧です。

報告日実例件名(一部)
2024/12/4PayPayを騙るフィッシングPayPayでお年玉!最大10,000円分のポイントをゲット!
友達を紹介して、PayPayポイントをゲット!紹介キャンペーン
今すぐ受け取れる!5000円分のPayPayボーナスとお得なキャンペーン情報
2024/10/30ORIX MONEYを騙るフィッシング【ORIX MONEY】会員様限定 5,000円プレゼントキャンペーン
【オリックス・クレジット】期間限定!30日間利息無料サービスのご案内
【ご返金のご案内】ORIX MONEYから重要なお知らせ
2024/10/7アイフルを騙るフィッシング【アイフル】最近の返済手続きが失敗いたしました
【アイフル株式会社】回答をお願いいたします。
【アイフル】本人確認手続のお願い
【緊急のお知らせ】アイフルを装ったフィッシング詐欺の確認について

フィッシング詐欺の被害に遭わないためにはどんな対策をすればいい?

フィッシング詐欺の特徴を理解しているはずだったのに被害に遭ってしまうケースもあります。今後、フィッシング詐欺のアプローチも増えていくと考えられますが、どんな対策をしたら被害に遭わずにすむのでしょうか。

不審なSMSやメールのURLにアクセスしない

フィッシング詐欺の被害に遭わないためには「君子危うきに近寄らず」が大原則です。フィッシング詐欺ではフィッシングサイトに誘導して個人情報を盗み出すアプローチが一般的です。SMSやメールなどで連絡があったとしても、すぐに鵜呑みにせずに疑ってかかるのが重要です。

少しでも不審な点が見つかったときには無視しましょう。URLにアクセスすることを促されて鵜呑みにしてしまうと偽サイトに誘導されてしまいます。身に覚えのない請求をされたときや、日本語がおかしいメッセージが届いたときなどには、すぐにURLにアクセスすることは避けるのが大切です。

フィッシング詐欺では使ったことのないサービスの請求ということもよくあります。もしかして使ってしまったのかもしれないなどと不安を持たず、巧妙にフィッシングサイトに誘導するための手口だと考えて、URLリンクをクリックしないようにしましょう。少しでも疑問が生まれたなら、すぐにURLにアクセスせずに立ち止まって冷静に考えるのが効果的な対策です。

2段階認証を設定する

フィッシング詐欺の被害に遭わないためには、ワンタイムパスワードの設定などの2段階認証を取り入れるようにする対策が有用です。ワンタイムパスワードなどによる2段階認証は、もしフィッシング詐欺によって騙されてしまったとしても、第三者に不正使用されないようにする方法として効果があります。

セキュリティを重視するサービスが増えてきたおかげで、IDやユーザー名、メールアドレスなどとパスワードを入力するだけではログインしたり、サービスを利用したりすることができないケースも多くなりました。ワンタイムパスワードを設定すると、ログインしようとしたときにメールやSMSに送信されたそのとき限りのパスワードも入力しないとログインできなくなります。

他にも秘密の質問に答えなければログインできなくすることもできるなど、さまざまな形の2段階認証があります。生体認証も組み合わせるとさらにセキュリティが高くなり、フィッシング詐欺の被害に遭うリスクを低減することが可能です。クレジットカードの利用でも同様の2段階認証ができるようになってきています。

アカウントなどの個人情報に関連する連絡は疑う

フィッシング詐欺では個人情報を取得して悪用するのが主な目的です。個人情報に関連するメッセージがメールやSMSなどで届いたときには、本物の連絡なのかどうかを疑うだけでも対策になります。一般的に個人情報に関わる連絡は情報が漏洩するリスクが低い方法を選びます。電話で確認や連絡をしたり、SSL(※)化されているサイトで情報入力を求めたりするのが基本です。

フィッシングサイトはSSL化されていないことが多くなっています。個人情報の入力を促すメールやSMSが届いてURLにアクセスしたときに、そのサイトがSSL化されていないとわかったらフィッシング詐欺だと考えるのが適切です。

SSL化されているかどうかはブラウザのアドレス部分を見るとわかります。最近のブラウザではSSL化されているサイトでは鍵マークが表示されるからです。また、鍵マークがあるだけでなく、アドレスが「http://」ではなく「https://」で始まっているとさらに安全性が高いと考えられます。個人情報の入力をする時にアドレスバーを見て安全性をチェックする習慣を作って対策しましょう。

また、「Norton 360」などの最新のウイルス対策ソフトでは、不審なメールやリンクの自動検知、危険なウェブサイトへのアクセス警告、添付ファイルのリアルタイムスキャン、SNS上でシェアされるリンクの安全性確認などの機能もありますので、チェックしてみてください。

※SSL:インターネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みのひとつ

相場よりも安い価格のサービスは情報調査をしておく

フィッシング詐欺にもいろいろなアプローチがあります。商品やサービスを安く提供しているかのように見せかけて、クレジットカードによる決済を求める方法もフィッシング詐欺として増えてきました。ブランド品を破格で販売する、儲けられる情報商材を提供するといった事例が典型的です。アウトレット品という名目で安いことの根拠を付けたり、マルチ商法を促したりするケースが多くなっています。

商品購入を促すケースでは相場との比較をすると疑うべきかどうかを判断できます。たとえアウトレットだったとしても相場の半額以下になるようなことはほとんどありません。異常に安いときには詐欺だと考えた方が無難です。

フィッシング詐欺の対策ではお得過ぎるときには疑い、十分な情報調査をするのが効果的です。検索エンジンでキーワード検索をするだけでフィッシング詐欺としてよく知られていることがわかる場合もあります。相場よりも安い価格のサービスのときには、インターネットで関連情報を調査したり、利用者の口コミをチェックしたりするのが効果的な対策です。

セキュリティアプリを導入する

フィッシング詐欺にはセキュリティ対策が有効です。フィッシング対策機能が搭載されているセキュリティアプリやセキュリティソフトはたくさんあります。クラウドサービスで常に最新のフィッシング情報を取り入れて対策しているソフトやアプリを導入すれば、大抵のフィッシング詐欺は回避可能です。

フィッシングサイトに誘導されたとしても、ブラウザにサイトが表示される前にブロックされるのが一般的です。そのため、もしメッセージに騙されて冷静さを失ってしまい、偽物のURLにアクセスしてしまったときでも個人情報を奪われずに済みます。

フィッシング詐欺対策になるセキュリティ対策のソフトやアプリには無料のものもあります。有料のものと比べて機能が少なかったり、広告が表示されたりする問題もありますが、基本的なフィッシング詐欺対策としては十分に活用できます。OSのファイアウォール機能などではフィッシングの対策としては不十分です。安全性を重視するならフィッシング対策機能のあるセキュリティソフトやセキュリティアプリを導入しましょう。

フィッシング詐欺の被害にあってしまった場合の対処法とは?

フィッシング詐欺の被害は常に発生しています。フィッシング詐欺についての知識があったとしても、次々に新しい手口でのフィッシングが行われているため対策しきれないこともあるのは確かです。もし被害を受けてしまったら、専門機関に相談するのが良い方法です。フィッシング詐欺に関する専門機関として有用なのはフィッシング対策協議会や各都道府県警です。

フィッシング対策協議会は一般社団法人としてフィッシング詐欺に関する情報の発信や勉強会の開催などをおこなっている団体です。フィッシング対策についての理解を促し、被害を食い止める努力を続けています。各都道府県警ではフィッシング110番を設けて、フィッシング詐欺についての相談を受け付けています。このようなサービスを利用することでフィッシング被害に遭ったときにも具体的な対処法を説明してもらうことが可能です。無料の対応なので万が一のときには連絡して対処をしていきましょう。

フィッシングサイトのURLを開いてしまった

フィッシングサイトを開くとマルウェア感染のリスクがあります。すぐにページを閉じてブラウザのキャッシュと検索履歴を削除しましょう。セキュリティソフトを利用して脅威から守るのがおすすめです。フィッシングサイトを開いただけでIDやパスワードなどの入力をしていないならリスクは低いので、慌てる必要はありません。ただ、サイトにアクセスした情報が伝わり、フィッシングメールの頻度が上がる可能性がある点に注意しましょう。

個人情報を送信してしまった

フィッシング詐欺ではURLをクリックして、さらに個人情報を入力してしまうと対処が大変になります。個人情報を入力して送信してしまい、フィッシング詐欺だったことに気づいたらすぐに対応が必要です。IDやパスワードを入力した場合には手続きをして変更しましょう。クレジットカード情報を入力したときにはカード会社に相談して下さい。最後にサイバー犯罪対策課の相談窓口に連絡して、適切な対応を取ってもらうのがおすすめです。

クレジットカードを不正に利用された

フィッシング詐欺でクレジットカード情報を入力した結果、不正利用されることもあります。不正利用されてしまった場合には、まずカード会社へ連絡しましょう。そして身に覚えのない取引が明細に含まれていることを伝えましょう。フィッシング詐欺と気付いたなら、そのことも伝えるとカード会社も対応しやすくなります。補償申請の手続きやアカウント情報の変更についても案内をもらえるので心配ありません。その後、警察に被害届を出すなどの手続きが必要ですが、不正利用された分は補償されるのが一般的です。

フィッシング詐欺の通報・相談窓口

不審なメールを受信したり、フィッシング詐欺の被害に遭ってしまった際は、速やかに専門機関へ相談することが重要です。

国内では、フィッシング対策協議会がフィッシング詐欺に関する情報の提供や相談窓口の運営を行っています。また、警視庁の「フィッシング110番」や、各都道府県警のサイバー犯罪対策課でも相談を受けつけています。さらに、国民生活センターでは、詐欺全般に関する相談が可能です。

被害を最小限に抑えるためにも、不審なメールやサイトの情報を適切な機関へ共有し、迅速な対応を心がけましょう。

フィッシング対策協議会「フィッシングの報告」
警視庁「フィッシング110番」
警視庁「都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口」
独立行政法人国民生活センター「消費者ホットライン」

企業の皆様が消費者にフィッシング詐欺と誤解されないために注意すべきこと

フィッシング詐欺の増加に伴い、消費者の間でフィッシング対策への意識が次第に高まってきています。企業がメールやSMSを使ったマーケティングを行う際、フィッシング詐欺と間違われないように対策が必要となります。

宛名、送信者情報、ビジネスマナーに配慮した情報を送る

消費者がフィッシング詐欺と誤解しないためには、情報が本物であることを明確に伝えることが重要です。メッセージを送るときには宛名を正確に記載し、送信者情報も完全に正確にするよう心掛けましょう。また、ビジネスマナーに沿った適切な日本語を用いて情報を伝達することも大切です。

SMSを使用する際は共通番号を利用する

SMSを使用する際は、自社サイトからどの電話番号でお客様に連絡を行っているか明示することも一つの重要な対策となります。またさらなる保護策として、SMS送信にキャリア共通番号を使用することを推奨します。0005で始まるキャリア共通番号はどのキャリアでも同じ番号で通知が可能になります。

共通番号についてはこちらをご参照ください。

キャリア共通番号 – SMS送信サービス「KDDIメッセージキャスト」

また、+メッセージをすることで、さらに信頼度を高めることも可能です。プラスメッセージについては、こちらのページからご確認ください。

+メッセージ送信サービス – SMS送信サービス「KDDIメッセージキャスト」

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

KDDI Message Castは、企業と顧客を結ぶ法人向けのSMS送信サービスです。

最大660文字の一斉配信が可能で、+メッセージを利用すれば、画像や動画の送信にも対応可能です。また、初期費用や月額費用が不要の従量課金制を採用しており、導入時の負担がありません。

さらに、共通番号を利用したSMS配信と、送信元企業の公式アカウントに「認証済みマーク」を表示する+メッセージ配信を組み合わせた「SMS詐欺対策パッケージ」をご利用いただくことで、顧客が安心して開封することができるメッセージの送信が可能となります。

まとめ

フィッシング詐欺の被害はメールやSMSを介して急速に広がっています。消費者の間でも認識が深まってきているので、企業としてはメールやSMSが本物だと認識しやすくする対策が必要です。KDDI Message Castではその方策の一つとして国内直収接続によるSMS配信機能を搭載しています。国内キャリアからのSMS配信になり、フィッシング詐欺に使われやすい国際キャリアとの差別化をしています。

また、0005ではじまる共通番号や+メッセージを活用したSMS詐欺対策パッケージは、企業が顧客に対して安心して使える連絡手段としてご活用いただけます。

共通番号を活用したSMS詐欺対策パッケージ – SMS送信サービス「KDDIメッセージキャスト」

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本書のポイント

本書から一部抜粋

  • SMSを悪用したフィッシング詐欺の手法と発生源
  • フィッシング詐欺だと勘違いされないために企業が取るべき3つの対策
  • 「共通番号からのSMS送信」と「+メッセージ(プラスメッセージ)」を利用が効果的な理由