2022年12月6日
業種
地方自治体
従業員数
2,389名 ※令和3年4月公表による
課題
新型コロナウイルス陽性者への初期連絡や、自宅療養のご案内に時間と工数がかかっていた

新型コロナウイルス感染症流行の波が押し寄せるたび、陽性者への連絡や住民の皆さまからのお問合せ対応による業務逼迫にお悩みの自治体さまに活用いただいているSMS送信サービス「KDDI Message Cast」。

今回は、これまで電話による連絡を主軸に置いて対応されてきた那覇市保健所さまに、導入のきっかけや効果、今後の「KDDI Message Cast」の活用方法について伺いました。

那覇市保健所 保健総務課 感染症グループ  速水 貴弘 様

業務の逼迫により新型コロナウイルスに感染された住民の方への連絡が滞ってしまう事態に

−これまでどのような課題をお持ちだったのでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の流行以降、第5波(2021年7月〜9月)が到来していた時期は、感染された住民の方への「初期連絡」が滞ってしまう事態が発生しました。保健所からの連絡が遅延している間に、容態が急変してしまう方もいらっしゃいました。そうしたことを繰り返さないよう、確実な電話連絡を行うと同時に、連絡が取れない方に対しては自宅訪問をするなどあらゆる手段のもと、感染された方の安否確認を行うよう対応してまいりました。

しかし流行の波を繰り返す中、2022年4月以降はオミクロン株の流行もあり再び連絡業務が逼迫するようになってしまいました。

私たち保健所の職員は一日のうち、午前中に療養が解除となる方への案内を電話で行い、午後は新たに感染された方に対して初期連絡を行うスケジュールで対応していました。感染者数の増加に伴い、架電できない件数が数十〜数百件にのぼってしまうこともありました。

そのような状況から、感染者に対する初期連絡が遅延してしまうことをどのように解消するかが大きな課題であり、迅速且つ円滑に初期連絡を行うための手段を検討する必要がありました。

SMS送信サービスと電話連絡を対象者にあわせて使い分けることで、業務工数を大幅に省力化

−SMS送信サービス「KDDI Message Cast」を導入したきっかけや、決め手について教えてください。

「KDDI Message Cast」は、沖縄県南部保健所が先に導入・活用しており、その使用感などを伺う機会がありました。南部保健所では行政検査結果の報告や療養解除時の連絡など、複数の目的で使用されており、那覇市保健所では南部保健所以上の連絡必要件数があった状況を鑑みて、SMS送信サービスを導入するメリットは大きいと判断しました。

−SMS送信サービス「KDDI Message Cast」を導入したことによる効果について、具体的に教えてください。

まずは、療養解除のご連絡を差し上げる際の手段として「KDDI Message Cast」の利用を開始しました。

「KDDI Message Cast」により一斉送信でご連絡できるようになったことで、これまで療養解除の電話連絡に費やしていた工数と時間を大幅に省力化できました。療養解除のご連絡はピーク時で1,000件弱にまで膨れ上がっていたため、職員からも「大幅に工数が削減できて、他の業務にも集中して取り組むことができるようになった」と、喜びと安堵の声が上がりました。

ただ、療養解除対象者となる全ての方にSMS送信サービスでご連絡しているわけではありません。初期連絡時に、療養解除時の連絡はSMSで送る旨をお伝えし、承諾いただいた方(全体の約7割)にのみSMSでご案内しています。

加えて沖縄県はご高齢者層の住民も非常に多いので、60歳以上の方に対しては従前どおり電話連絡を続けています。

また、スマートフォン、フィーチャーフォンを問わず携帯電話をお持ちであれば、SMSでご連絡することができる点もメリットだと思います。SMSはLINEなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)とは違い、アプリをインストールする必要がないので幅広いご年代の方にとって使いやすいのではないでしょうか。

メッセージの受信結果がわかることが、住民・職員双方の安心につながった

−SMS送信サービス「KDDI Message Cast」の使い心地など感想があれば教えて下さい。

メールでのご連絡は一方的な送信となるため、陽性者の安否確認を果たすことができるのか、という不安もあり、これまで導入に踏み切ることができませんでした。一方「KDDI Message Cast」は、受信されたかどうかがわかる点が非常にありがたく、送信できなかった方に対しては架電など、様々な方法にて連絡を試みています。

実は、HER-SYS(読み:ハーシス、保健所等の業務負担軽減及び保健所・都道府県・医療機関等をはじめとした関係者間の情報共有・把握の迅速化を図るための新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム)にもSMS送信サービス機能は含まれているのですが、受信結果はわからないため、「KDDI Message Cast」はそうした点もカバーしてくれます。

後日、療養解除対象となった方から、連絡に関してのお問い合わせをいただくことがあった際も「〇月〇日にSMSでメッセージをお送りしていますよ」と、受信結果をエビデンスとしてご説明ができるため、住民・職員双方の安心につながりました。

SMS送信サービスの特性上難しいのかもしれませんが、既読かどうかも分かるようになると、尚良いなと思います。

新型コロナ対応以外でのSMS送信サービスの利用も検討

−SMS送信サービス「KDDI Message Cast」の今後の活用方針について教えてください。

現在、保健所で受ける検査の予約手段にはLINEを導入しており、スマートフォンをお持ちでない方やLINEを利用していない方に対しては、電話で予約を受け付けています。

LINEなどSNSの利用を控えていらっしゃる方の中には、セキュリティ面を危惧されているケースがあります。

その点、SMS送信サービスは携帯電話契約者本人に直接送信できるといった特性上、金融機関の二段階認証などで利用されるなどセキュリティの面でも安心だと思いますし、匿名性の面でも電話番号のみでメッセージを送信できることは非常に有意義だと考えていますので、今後はSMS送信サービスを活用していくことも可能性としてあるかもしれません。

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