スマートフォンのメッセージアプリで、相手がメッセージを読んだかどうかがわかる「既読機能」。LINEなどのコミュニケーションアプリではおなじみですが、電話番号でメッセージを送れるSMS(ショートメッセージサービス)を進化させた「RCS」にも既読機能があるのでしょうか。

本記事では、RCSの既読機能の有無や、メッセージのステータスを示すアイコンの見方、既読機能をオフにする設定方法などを解説します。AndroidだけでなくiPhoneでも利用が広がるRCSを使いこなすための注意点や、企業がお客様とのコミュニケーションに活用する際の大きなメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

RCSとは?

RCSは「Rich Communication Services」の略で、SMSと同じく電話番号宛てにメッセージを送信できるサービスです。SMSが基本的にテキストのみのやり取りだったのに対し、RCSでは長文テキスト、高解像度の写真や動画、ファイル、位置情報などの送受信が可能です。いわば、SMSとLINEのようなコミュニケーションアプリの「良いところを掛け合わせたサービス」と言えるでしょう。

特に法人利用においては、企業のロゴや公式マークを表示することによる信頼性の飛躍的な向上や、写真・動画のみならずリッチカード(スタンドアローン型、カルーセル型)やチップリスト(返信候補を提示)といったコンテンツの活用による視覚的訴求力の向上など、ビジネス上の大きな効果が期待できます。

RCSはAndroidの「Google メッセージ」アプリや一部のiPhoneなどで利用できますが、日本国内ではAndroidと、auおよびUQ mobile回線のiPhoneで利用可能です。

より詳しい情報については、以下の関連リンクもご覧ください。
関連リンク:https://kddimessagecast.jp/rcs/

RCSに既読機能はある?

結論から言うと、RCSには既読機能があります。自分が送ったメッセージを相手が読むと、既読したことがわかるマークが表示されます。これにより、相手がメッセージを確認したかどうかを把握できるため、ビジネスシーンでの重要な連絡や、緊急の要件を伝える際にも便利です。

既読マークは、一般的にメッセージの吹き出しの横に表示されるチェックマークで示されます。このマークを確認することで、円滑なコミュニケーションが可能になります。

RCSの配信状況を知らせるアイコンの見方

RCSでは、メッセージのステータスがアイコンで示されます。主にチェックマークの数や色で、メッセージが「送信済み」「配信済み」「既読」のどの状態にあるかを確認できます。

これらのアイコンの意味を理解しておくことで、メッセージが相手に届いているのか、あるいは読まれたのかを正確に把握できます。

  • チェックマーク1つ: メッセージが自分の端末から正常に送信された状態です。
  • チェックマーク2つ: メッセージが相手の端末に届いた(受信された)状態です。
  • 塗りつぶされたチェックマーク2つ: 相手がメッセージを開き、内容を読んだ(既読)状態です。

相手のスマートフォンの電源がオフになっている場合や、通信環境が悪い場合は、「配信済み」にならず、チェックマークが1つのままとなります。

チェックマーク2つ(メッセージが相手の端末に届いた(受信された)状態)塗りつぶされたチェックマーク2つ(相手がメッセージを開き、内容を読んだ(既読)状態)

RCS同士なのに既読がつかない場合の対処法

お互いにRCSを利用できるはずなのに既読がつかない場合、いくつかの原因が考えられます。

  • 相手が既読機能をオフにしている: 相手がプライバシー設定で既読通知をオフにしている場合、こちら側で既読を確認することはできません。
  • 通信状況の問題: 自分または相手の通信状況が不安定な場合、メッセージのステータスが正常に更新されないことがあります。Wi-Fiやモバイルデータ通信の接続を一度確認してみてください。
  • 相手がRCS非対応の環境にいる: 相手がiPhoneユーザーの場合、日本ではauまたはUQ mobileの回線契約でなければRCSを利用できません。 それ以外のキャリアのiPhoneとはSMS/MMSでのやり取りとなり、既読はつきません。
  • RCSチャット機能がオフになっている: どちらかのRCSチャット機能が意図せずオフになっている可能性があります。設定を確認し、オンになっているかチェックしましょう。
  • SMS/MMSとして送信されている: 何らかの理由でRCSではなく、従来のSMS/MMSとしてメッセージが送信された場合、既読機能は利用できません。メッセージ入力欄に「RCSメッセージ」または「テキストメッセージ・RCS」と表示されているか確認しましょう。

RCSの既読機能をオフにする方法

自分のプライバシーを保護したいなどの理由で、相手に既読したことを知られたくない場合、既読機能をオフに設定することができます。以下にAndroidスマートフォンの「Google メッセージ」アプリでの手順を解説します。

手順1

お使いのスマートフォンで「Google メッセージ」アプリを開きます。

手順2

画面の右上にある自分のプロフィール写真またはアイコンをタップし、表示されたメニューから「メッセージの設定」を選択します。

手順3

設定メニューの中から「RCSチャット」(または「チャット機能」)をタップします。

手順4

「既読通知を送信」という項目のスイッチをタップしてオフに切り替えます。これで、あなたがメッセージを読んでも相手に既読通知が送られなくなります。ただし、この設定をオフにすると、あなたも相手の既読を確認できなくなる点に注意が必要です。

RCSで個別に既読マークを表示させる方法

RCSの既読機能は、基本的に全てのRCSチャットに対して一括でオン/オフを設定します。そのため、2025年7月現在、特定の相手やチャットごとに個別に既読の表示・非表示を設定する機能は標準では提供されていません。

前述の通り、「既読通知を送信」設定をオンにするかオフにするかのどちらかを選択する形になります。

RCSの既読マークに関するQ&A

質問1:RCSに既読がつかないのはなぜ?

A. 既読がつかない主な理由は、①相手が既読機能をオフに設定している、②相手のスマートフォンの電源が入っていない、または通信環境が悪い、③相手がRCSに対応していない(例:au/UQ mobile以外のiPhoneユーザーなど)、④何らかの理由でメッセージがRCSではなくSMSとして送信された、などが考えられます。

質問2:相手がiPhoneの場合でも既読はつきますか?

A. はい、つきます。ただし、相手のiPhoneがauまたはUQ mobile回線を利用している必要があります。 日本国内において、この条件を満たしていれば、AndroidとiPhoneの間でもRCSのメッセージ送受信が可能で、既読機能も利用できます。それ以外のキャリアのiPhoneをお使いの場合は、従来のSMS/MMSでのやり取りとなり、既読はつきません。

質問3:既読機能をオフにしたら、相手にバレますか?

A. あなたが既読機能をオフにしても、そのこと自体が相手に通知されることはありません。ただし、あなたがメッセージを読んでも相手の画面で既読マークがつかなくなるため、相手はあなたが設定をオフにしていると推測することは可能です。

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

企業がお客様へメッセージを配信するシーンでは、RCSは非常に有効なツールです。法人向けSMS送信サービス「KDDI Message Cast」はRCSに対応しており、テキストのみのSMSよりも表現力豊かで、高い反応率が期待できるメッセージ配信を実現します。

  • エンゲージメント率の向上
    • SMSと比較してクリック率が1.5倍から2倍に向上するというデータがあります。実際に、auフィナンシャルの事例では、ローン申請を中断したお客様へのリマインドをRCSに切り替えることで、ローン承諾率が20%改善しました。また、機種変更の案内手段をSMSからRCSに変更したKDDI社内事例では、クリック率が1.5倍、手続き完了率が1.3倍に向上しています。
  • コスト削減効果
    • 長文メッセージの場合、SMSは文字数に応じて課金されますが、RCSは文字数に関わらず一通20円(税込22円)のため、3通以上の長文メッセージであればRCSの方が安くなることが多く、月間コストを大幅に削減できる可能性もあります。さらに、DM(ダイレクトメール)の送付と比較して、RCSは印刷や封入、発送作業が不要なため、人件費を50%〜70%削減し、トータルの所要時間も大幅に短縮できます。
  • 確実な情報伝達と安心感
    • キャリアによる認証を受けた公式アカウントから配信するため、なりすましリスクを防ぎ、お客様に安心してメッセージを開いてもらえます。また、RCSが届かない端末にも+メッセージやSMSで自動的に再送信する「フォールバック機能」を標準で備えており、確実な情報伝達をサポートします。
  • 容易な導入と運用
    • 入稿ポータルはSMSと共通のインターフェースのため、新規システムの導入が不要で、追加の手間がかかりません。また、配信ログから日付指定検索やCSVファイルでのダウンロードを通じて、メッセージの到達・開封状況を簡単に確認できるため、その後のアクションや効果測定に役立ちます。
  • 将来性豊かなサービス
    • RCSは今後、さらに利用が拡大する見込みです。2025年4月以降、iOS 18.4以上を搭載したiPhoneでもRCSが利用可能となり、Androidでも+メッセージに加えてGoogleメッセージへの対応が拡大します。KDDIはau・UQ mobileでのRCS先行導入を進めており、今後さらに多くのユーザーにリーチできるでしょう。

RCSは多様なビジネスシーンで活用が期待されており、人材募集や金融取引、保険、インフラ、不動産、自動車販売、通販、自治体といった幅広い業界・用途で導入事例があります。

まとめ

RCSは、SMSの利便性とコミュニケーションアプリのリッチな機能を兼ね備えた便利なサービスです。本記事で解説した既読機能やアイコンの意味を理解し、設定を適切に行うことで、よりスムーズで確実なコミュニケーションが実現します。Androidはもちろん、日本ではau、UQ mobileのiPhoneでも利用できるため、今後ますます活用シーンが広がるでしょう。ぜひこの記事を参考に、RCSの機能を最大限に活用してください。