次世代メッセージング規格「RCS(Rich Communication Services)」への対応は、国内各キャリアで段階的に進んでいます。ただし、個人間でRCSが使えるキャリアであっても、法人からの配信がRCSで届くとは限りません。

本記事では、利用者どうしでやり取りする個人間RCS(P2P:Person to Person)の対応状況と、法人からのRCS配信(RCS Business Messaging)で実際に届く範囲を、キャリアごとに整理します。内容は各キャリアの公式発表に合わせて随時更新します。

RCSとは

RCS(Rich Communication Services)は、SMSの次世代にあたるグローバル標準のメッセージング規格です。電話番号宛てに、企業ロゴや画像・動画・ボタンを含むリッチなメッセージを送受信できます。iPhoneの「メッセージ」アプリやAndroidの「Googleメッセージ」といった標準のメッセージアプリで受け取れるため、受信側に専用アプリのインストールは必要ありません。国内では、RCS規格をベースにした3キャリア共同のサービス「+メッセージ」も提供されてきました。

個人間RCSのキャリア別対応状況

利用者どうしがスマートフォンでRCSをやり取りできるかどうか(個人間RCS)を、キャリア別にまとめると次のとおりです。

キャリアAndroidiPhone提供開始時期対応OS・備考
au / UQ mobile / povo対応済み対応済み2025年(10月16日から申し込み不要)Android 8.0以上・iOS 18.4以上。povo2.0は2025年12月16日から、au回線のMVNOは順次対応(いずれもiOS 26.2以上)
ソフトバンク / Y!mobile / LINEMO対応済み対応済み2026年3月18日(Android)・3月25日(iPhone)Android 10.0以上・iOS 26.4以上。法人契約回線・MVNOは今後対応予定
NTTドコモ対応済み対応予定(提供日は未発表)2026年8月24日(Android)Android 10.0以上のスマートフォン・タブレット。法人向け「RCS公式アカウント」を2026年冬に提供開始予定
楽天モバイル未対応未対応未提供独自アプリ「Rakuten Link」を提供

※出典:au「RCS」サービスページソフトバンク「RCS」サービスページNTTドコモ「RCS」サービスページほか各社の公式発表(詳細はページ末尾の出典一覧)

NTTドコモは2026年8月24日にRCSの提供を開始しました。利用できるのはAndroid 10.0以上のスマートフォン・タブレットで、ドコモケータイ・らくらくホン・キッズケータイは含まれません。機種ごとの対応可否は、ドコモ公式の対応機種一覧で確認できます。iPhoneも対応予定ですが、利用できる日付は「後日改めてお知らせ」とされており、まだ発表されていません。

法人からのRCS配信(A2P)で届く範囲

個人間RCSに対応しているキャリアであっても、法人からの配信(A2P:Application to Person)がRCSで届くかどうかは別の問題です。法人からのRCS配信がどのキャリアの回線に届くかは、キャリア側の対応状況だけでなく、利用する配信サービスがその回線への配信に対応しているかどうかで決まります。

KDDI Message Castの法人向けRCS配信は、現時点ではau回線のみに対応しています。au回線であれば、iPhoneの「メッセージ」アプリとAndroidの「Googleメッセージ」のどちらにも、企業ロゴや画像・ボタン付きのリッチなメッセージを届けられます。auユーザーの約8割(2026年9月時点・当社調べ)に、リッチなメッセージを直接届けられる状態です。

ソフトバンク・NTTドコモ回線へのRCS配信は、2026年度中の対応を予定しています。NTTドコモは法人向けの「RCS公式アカウント」を2026年冬に提供開始すると公式に発表しています。

楽天モバイル回線へは、楽天モバイル自体がRCSに対応していないため、RCSでの配信はできません(SMSでの配信は可能です)。

このように、法人からのRCS配信で届く範囲は、個人間RCSの対応状況よりも限定的です。ただし、RCSが届かない回線・端末にはSMSへ自動で切り替えて届けられるため(後述のフォールバック)、メッセージそのものが届かなくなるわけではありません。

キャリア別RCS対応のこれまでとこれから

国内のRCS対応は、次のように段階的に進んできました。

  • 2025年: auがiPhone・Androidともに個人間RCSに対応し、10月16日には申し込み不要で利用できるようになりました。
  • 2026年春: ソフトバンクが個人間RCSを開始しました(Android 3月18日から、iPhone 3月25日から)。
  • 2026年8月24日: NTTドコモが個人間RCSの提供を開始しました(Android 10.0以上。iPhoneは対応予定で提供日は未発表)。
  • 2026年冬(予定): NTTドコモが法人向けの「RCS公式アカウント」の提供開始を予定しています。
  • 2026年度中(予定): KDDI Message Castが、ソフトバンク・NTTドコモ回線への法人向けRCS配信に対応する予定です。

NTTドコモ・ソフトバンク回線への対応が完了すれば、2026年度内には主要キャリアの大部分のユーザーに対して、アプリのダウンロード不要でリッチなメッセージを直接届けられる環境が整う見込みです。

RCSが届かない相手にもメッセージを届ける方法

キャリアや端末の対応は進んでいますが、現時点では相手の回線・端末によってRCSが届かないケースがあります。この届く範囲の差を埋めるのが、RCSとSMSを組み合わせたハイブリッド配信です。

法人向けメッセージ送信サービス「KDDI Message Cast」では、SMSとRCSを1つのサービスから送信できます。相手の回線・端末がRCSに対応していない場合はSMSへ自動で切り替わる(フォールバック)ため、RCSに対応した相手には画像やボタン付きのメッセージを、対応していない相手にはSMSを届けられます。

フォールバックの経路は要件に応じて選べます。切り替え先となるSMSは、国内網接続により98%以上の到達率を実現しています。

RCS×SMSのハイブリッド配信では、次のような導入効果が報告されています。

  • 不動産業界: 紙のDMからRCSに切り替え、申込率が2.3倍に向上
  • 金融業界: 申込不備や規約同意忘れのリマインドをSMS・RCSで送付し、ローン承認率が20%改善
  • 印刷業界(TOPPANエッジ株式会社): 自治体での実証実験で、RCS×SMSハイブリッド配信により開封率88%・URLクリック率30%を実現(導入事例

※不動産業界・金融業界の出典:日経クロストレンド「SMSの次世代規格『RCS』が企業のモバイル・コミュニケーションを革新」( https://xtrend.nikkei.com/info/09/00070/101700110/ )

法人向けRCS配信の詳細や、自社の配信対象でどのくらい届くかについては、RCS配信サービスのご案内をご覧いただくか、お問い合わせからご相談ください。

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よくある質問

Q. 日本の各キャリアはRCSに対応していますか?

auはiPhone・Androidともに対応しています。ソフトバンクは2026年3月に個人間RCSを開始しました。NTTドコモは2026年8月24日にAndroid(10.0以上)でRCSの提供を開始しました。iPhoneも対応予定ですが、提供日はまだ発表されていません。楽天モバイルはRCSに対応していません。対応状況は端末やOSのバージョンによっても異なります。

Q. 法人からRCSメッセージを配信すると、すべてのスマートフォンに届きますか?

いいえ。個人間RCSに対応しているキャリアでも、法人からの配信がRCSで届くかどうかは、利用する配信サービスの対応状況によって異なります。KDDI Message Castの場合、au回線にはiPhone・Androidともに配信できますが、ソフトバンク・NTTドコモ回線へのRCS配信は現在未対応で、2026年度中の対応を予定しています。楽天モバイル回線へはRCSでは配信できず、SMSでの配信となります。RCSが届かない相手にはSMSへ自動で切り替えることで、届く範囲を広げられます。

Q. RCSを受け取るのに、専用アプリのインストールは必要ですか?

いいえ。RCSはiPhoneの「メッセージ」アプリやAndroidの「Googleメッセージ」など、標準のメッセージアプリで受信できるため、専用アプリのインストールは必要ありません。ただし、利用できるかどうかはキャリアの対応状況やOSのバージョンによって異なります。

Q. RCSに対応していない相手には、メッセージが届かないのですか?

いいえ。RCSとSMSを組み合わせたハイブリッド配信を使えば、RCSに対応していない相手にはSMSへ自動で切り替えて届けられます。KDDI Message CastのSMSは国内網接続により98%以上の到達率を実現しており、RCSが届かない相手への配信を補えます。

出典