【2025年最新】RCSとは?SMSとの違い、メリット、ビジネス活用事例まで徹底解説

RCSは、SMSの次世代規格として注目されるメッセージサービスです。従来のSMSがテキスト中心のコミュニケーションだったのに対し、RCSでは写真や動画、ファイル共有など、よりリッチな情報のやり取りが可能になります。本記事では、RCSの基本的な概要から特徴、SMSとの違い、そしてビジネスでの活用事例までを詳しく解説します。
目次
RCSとは

RCS(Rich Communication Service)は、携帯電話番号を宛先として、テキストだけでなく多様なコンテンツを送受信できるサービスです。SMSやMMS(キャリアメール)と同様に世界共通の標準規格として定められており、より表現力豊かなコミュニケーションを実現します。グループチャット、高解像度の写真や動画の共有、既読確認といった、従来のSMSにはなかった高度な機能が利用できます。
RCSは2007年に考案されて以降、技術開発が進められてきました。2016年にGoogleがAndroid OSで標準サポートを開始し、世界的に普及が加速。さらに2024年9月にはAppleがiOS 18でRCSに対応したことで、iPhoneでも標準メッセージアプリでの利用が始まりました。
ただし、日本国内においては、2025年9月時点でiPhoneのRCSに対応しているのはauとUQ mobileの回線契約者に限られます。 KDDI(au)はこの展開に力を入れており、iPhoneにおいて従来必要だった事前の申し込みが2025年10月16日からは不要になります。これにより、対象ユーザーは特別な手続きなく標準メッセージアプリでRCSを利用できるようになり、さらなる利用者拡大が見込まれています。
参考:メッセージサービス(RCS)お申し込み手続き不要化のご案内について
https://www.au.com/information/notice_mobile/service/2025-003/
RCSの特徴
RCSは、チャット機能やファイルの送受信などのさまざまな機能が搭載されています。位置情報の共有やデータ容量の大きいコンテンツも取り扱い可能です。ここではより詳細にRCSの特徴を紹介します。
動画・画像ファイルの送受信ができる
RCSの大きな特徴は、テキストだけでなく様々な形式のファイルを送受信できる点です。JPGやPNGといった画像はもちろん、MP4形式の動画ファイルも送信可能で、相手に視覚的で分かりやすい情報を届けられます。また、PDFやプレゼンテーション資料なども添付できるため、ビジネスシーンでの資料共有にも活用できます。
モバイルデータ通信を利用する
RCSは、SMSのように電話回線ではなく、モバイルデータ通信やWi-Fiの回線を使用してメッセージを送受信します。そのため、Wi-Fi環境下であれば、通信量を消費せずに無料でメッセージのやり取りが可能です。Wi-Fiがない場所でもモバイルデータ通信を利用して送信できますが、その場合は契約プランに応じたデータ通信量がかかります。
メッセージ・チャットでやり取りができる
RCSは、リアルタイムでのチャット形式のコミュニケーションに対応しています。LINEなどのアプリのように、相手がメッセージを読んだかどうかが分かる「既読機能」や、複数人での「グループチャット機能」も利用可能です。 これにより、プロジェクトチームでの連絡など、ビジネスにおける円滑な情報共有にも役立ちます。
開封率・クリックスルー率が高い
RCSはSMSと同様、電話番号に直接届くため、高い開封率とクリックスルー率を誇ります。GSMAのレポートでは、KDDIによるとRCSメッセージが85%以上開封されていて、クリックスルー率はSMSや電子メールの場合に比べて40%以上高くなっていると報告しています。
参照:日本におけるRCSビジネス・メッセージング2019年12月
https://www.gsma.com/solutions-and-impact/technologies/networks/wp-content/uploads/2019/12/1-RCS-Business-Messaging-in-Japan-single-combined-low-res-JAPANESE.pdf
SMSとの違い
RCSは「SMSの進化版」と表現されることもありますが、サービスの詳細を比較すると多くの違いがあります。
関連リンク:SMS(ショートメッセージ)とは?料金や送受信方法をわかりやすく解説
https://kddimessagecast.jp/blog/sms/post-42/
料金
RCSはインターネットのデータ通信を利用するため、データ量に応じて料金が発生します。テキストのみの送受信であればSMSより安くなることが多いです。一方、SMSは1通ごとに料金が発生し、国内の携帯キャリアでは1通あたり約3円前後の料金がかかります。RCSはデータ通信料のみで基本的に無料で利用できますが、大容量のデータ送信時はその分の通信料がかかることがあります。
宛先
RCSもSMSも宛先は電話番号を使用します。どちらも携帯電話番号宛に送信する点で共通しています。
文字・画像
SMSはテキストのみに対応し、1通あたり最大670文字程度の送信に限定されています。一方、RCSはテキストだけでなく、写真、動画、スタンプ、ファイル添付など多様なコンテンツの送受信が可能です。さらに、RCSではグループチャット機能や既読・未読確認機能も利用できるため、よりリッチなコミュニケーションが実現できます。
比較一覧表
RCS | SMS | |
---|---|---|
宛先 | 電話番号 | 電話番号 |
テキストの文字数制限 | 最大 全角3,192文字程度 | 最大 全角670文字程度 |
画像や動画の添付 | 可 | 不可 |
ファイルの添付 | 可 | 不可 |
グループメッセージ | 対応 | 非対応 |
料金体系 | データ通信量による | 1通あたりの送信文字数による |
既読確認 | 可 | 原則不可 |
SMSは短いテキストを手軽に送るためのサービスですが、RCSは文字数制限が大幅に緩和され、画像やファイルを活用して表現力豊かなメッセージを作成できます。ビジネスで利用する際は、それぞれの特徴と料金体系を理解し、目的に合ったサービスを選択することが重要です。
RCSのメリット・デメリット
RCSにはSMS、MMS、Eメールなどと比較するとメリットもデメリットもあるので確認しておきましょう。
RCSのメリット
RCSの最大のメリットは、電話番号を宛先にしてリッチなコンテンツを届けられる点です。アプリのような表現力と、SMSのような到達率の高さを両立できます。企業が活用する場合、公式認証マークを表示できるため、ユーザーに安心感を与え、なりすましリスクを低減できるのも強みです。
RCSのデメリット
RCSのデメリットは、普及は進んでいるものの、まだ全てのユーザーが利用できる環境ではない点です。RCSを利用するには、受信者側も対応したアプリやOS、回線契約が必要です。そのため、企業がメッセージを一斉配信する場合、RCSだけでは全ての届けたい相手に情報が届かないという課題が残ります。 この課題をどう解消するかが、コミュニケーション戦略においてはとても重要です。
RCSの代表的なサービス
RCSはGoogleによってOS単位での対応を始めたことをきっかけに、多様なサービスが登場してきました。ここでは国内でよく用いられているRCSのサービスを紹介します。
+メッセージ
「+メッセージ」は、ドコモ、au、ソフトバンクの国内大手3キャリアが共同で提供するRCS規格に準拠したサービスです。対応するアプリをインストールすることで、キャリアの垣根を越えて、長文テキストやスタンプ、写真などを無料で送受信できます。
関連リンク:プラスメッセージとは?料金やメリットなどSMSやLINEとの違いについても解説
https://kddimessagecast.jp/blog/sms/240302/
Google メッセージ / iOS メッセージ
AndroidやiOSの標準メッセージアプリもRCSに対応しています。国内3キャリアが提供する「+メッセージ」とは別に、特にauでは、Android標準の「Google メッセージ」、iPhone標準の「メッセージ」アプリでRCSを利用する形式を主軸としています。 2025年10月16日からは申し込みも不要になるため、ユーザーは新たなアプリをインストールすることなく、普段利用しているメッセージアプリでRCSの利便性を享受できるようになります。
RCS Business Messaging
Googleが提供する「RCS Business Messaging(RBM)」は、企業が顧客と双方向のコミュニケーションを行うためのプラットフォームです。公式認証マークの表示や、ボタン付きリッチカードの送信、分析機能などを備えており、マーケティングやカスタマーサポートの高度化を実現します。
参照:RCS ビジネス メッセージ | RCS Business Messaging |Google for Developers
https://developers.google.com/business-communications/rcs-business-messaging?hl=ja
RCSの活用事例
RCSは国内外の企業で活用が進んでいます。
海外の大手コーヒーブランドNespressoは、RCSを活用してパーソナライズされたギフト商品のプロモーションを実施しました。その結果、販促メッセージでありながら開封率73%という高い数値を達成しています。
同社では会話型キャンペーンにより商品を探しやすくする取り組みを実施し、その結果、RCSを受け取ったユーザーの購入意向をさらに25%向上させることに成功しました。RCSと相性の良いキャンペーンを実施することで大きな成果を出した事例です。
参照:Nespresso | RCS Business Messaging|Google for Developers
https://developers.google.com/business-communications/rcs-business-messaging/success-stories/nespresso?hl=ja
国内でも活用が広がっており、ある金融会社では、ローン申請手続きを途中で中断した顧客へのリマインドをSMSからRCSに変更したことで、ローン承諾率が20%改善しました。 このように、RCSは顧客エンゲージメントを高め、具体的な成果に結びつけるポテンシャルを持っています。
法人向けSMS・RCS送信サービスなら「KDDI Message Cast」
RCSの「表現力」と、SMSの「全ユーザーに届く網羅性」。この2つを両立させるのが、法人向けメッセージ送信サービス「KDDI Message Cast」です。
このサービスは、RCSとSMSの両方に対応したメッセージ配信プラットフォームです。最大の特徴は、RCSで送信できなかった相手を自動で判別し、瞬時にSMSで同じメッセージを再送信する「フォールバック機能」です。 これにより、配信担当者は受信者の環境を一切意識することなく、国内の携帯電話番号を持つほぼ全てのユーザーへメッセージを届けることが可能になります。
RCSで豊かな表現を届けつつ、SMSで確実なリーチを担保する。KDDI Message Castは、メッセージ配信の効果を最大化するための最適なソリューションです。

まとめ
RCSは、長文テキストや画像・動画を送受信できる、SMSを進化させたメッセージサービスです。データ通信を利用するため、Wi-Fi環境なら無料でリッチなコミュニケーションが可能です。
日本ではAndroidに加えiPhoneの一部で利用が始まるなど普及が進んでおり、特にau・UQ mobileでは2025年10月から申し込み不要になるなど、今後ますます身近なツールになるでしょう。 ビジネスにおいては、高い開封率や表現力を活かした活用が期待されます。一方で、全てのユーザーに届くわけではないため、確実にリーチしたい場合はSMSとの併用が効果的です。それぞれのメリットを理解し、目的に応じて活用していきましょう。
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