iPhoneでRCSを使うには?設定方法・対応キャリア・ビジネス活用まで解説

iPhoneでは、iOS 18以降の「メッセージ」アプリでRCS(Rich Communication Services)を利用できます。RCSはSMSの次世代にあたるメッセージング規格で、電話番号宛てに高解像度の写真や動画、リンクを送受信でき、既読確認にも対応しています。日本国内では、au・ソフトバンク・NTTドコモの各回線が、iPhoneでの個人間RCS(P2P:Person to Person)に対応しました。
ただし、利用者どうしがRCSでやり取りできることと、企業からその回線へRCSを配信できることは別です。本記事では、iPhoneでRCSを使うための設定方法と回線・iOSの条件、キャリア別の対応状況、Androidとやり取りする際の注意点に加え、企業がiPhoneユーザーにRCSを配信する際に押さえておきたい配信の範囲とメリットを解説します。
※記載している対応状況は、2026年9月時点の各社の公式発表にもとづく情報です。
RCSとは?iPhoneでできること
RCSの概要
RCS(Rich Communication Services)は、GSMAが標準化を進めるメッセージング規格で、SMSの次世代にあたります。SMSと同じく電話番号を宛先にしながら、高解像度の写真や動画、リンクの送受信、既読確認、グループチャットなどに対応しています。法人からの配信では、企業名やロゴ、認証マークの表示に加え、ボタンやカルーセルを使った案内も利用できます。
SMSとの違いは文字数だけではありません。KDDI Message CastのSMSは最大660文字の長文送信に対応していますが、画像や動画をメッセージに含めたり、ボタンから予約や問い合わせのページへ誘導したりできるのは、RCSならではの機能です。
iPhoneの「メッセージ」アプリで使える機能
iPhoneでは、iOS 18以降の「メッセージ」アプリでRCSを利用でき、対応するAndroid端末との間でも高解像度の写真や動画をやり取りできます。RCSのメッセージはSMS/MMSと同じ緑色の吹き出しで表示され、配信証明・開封証明・タイピングインジケータに対応しています。利用には、iOSのバージョンに加えて、iPhoneのRCSに対応した通信事業者の回線契約が必要です。
iPhoneでRCSを有効にする設定方法
対応する回線とiOSの条件
iPhoneでRCSを使うには、契約している回線とiOSの両方が条件を満たしている必要があります。au・UQ mobile・povo1.0はiOS 18.4以上、povo2.0とau回線を利用するMVNOはiOS 26.2以上が対象です。au回線のMVNOは順次対応のため、契約先の提供状況もあわせて確認してください。
ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMOのiPhoneは、iOS 26.4以上が対象です。ソフトバンクの公式案内では、法人契約の回線とMVNOは今後対応する予定とされています。ここでの「法人」は回線の契約形態を指しており、企業が顧客へ配信するRCSサービスの対応可否とは別のものです。
NTTドコモのiPhoneは、iOS 27.0以上が対象です。機種ごとの対応可否は、ドコモ公式の対応機種一覧で確認できます。
設定手順と確認方法
iPhoneの「設定」から「アプリ」→「メッセージ」→「RCSメッセージ」の順に開き、RCSメッセージをオンにします。この項目が表示されない場合は、契約回線かiOSのバージョンが条件を満たしていない可能性があります。初めてオンにしたときは、有効になるまでに時間がかかることがあります。
RCSに対応した相手との会話では、入力欄に「テキストメッセージ・RCS」と表示されます。吹き出しの色はSMS/MMSと同じ緑色のため、RCSでやり取りできているかどうかは、色ではなく入力欄の表示で見分けられます。
企業からのRCSメッセージを受け取るには、同じ設定画面にある「RCSビジネスメッセージ」もオンになっている必要があります。個人間RCSを使える状態でも、この設定をオフにしていると、企業からのメッセージはRCSでは届きません。
※出典:Apple「iPhoneでRCSメッセージをオンにする」
日本国内のキャリア別RCS対応状況
2026年9月時点で、au系の対応回線、ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMO、NTTドコモのいずれでも、iPhoneで個人間RCSを利用できます。au・UQ mobile・povo1.0は2025年10月16日から申し込み不要で利用でき、ソフトバンク系は2026年3月25日にiPhoneでの提供を開始しました。
NTTドコモは、2026年8月24日にAndroid 10.0以上の対象端末で個人間RCSの提供を開始し、2026年9月にはiPhone(iOS 27.0以上)にも対応しました。楽天モバイルはRCSに対応していません。
個人間RCSの対応が3キャリアにそろった一方で、企業からRCSを配信できる回線は、利用する配信サービスによって異なります。キャリア・OSごとの詳しい条件と、法人からの配信で届く範囲は、日本のキャリア別RCS対応状況にまとめています。
iPhoneとAndroid間でRCSを使う際の注意点
写真や動画、既読確認は双方の対応が必要
iPhoneとAndroidの双方がRCSを使える状態であれば、高解像度の写真や動画の送受信、既読確認、グループチャットを利用できます。相手の回線やアプリ、設定がRCSに対応していない場合は、SMS/MMSでのやり取りになります。
iPhoneの「メッセージ」アプリでは、iMessageの吹き出しは青色、RCSとSMS/MMSの吹き出しは緑色で表示されます。緑色の吹き出しはRCSとSMS/MMSで共通のため、どちらで送られているかは入力欄の表示で見分けます。
エンドツーエンド暗号化の対応状況
AppleはiOS 26.5以降で、「メッセージ」アプリのRCSメッセージをエンドツーエンドで暗号化するベータ版の機能を案内しています。この暗号化は対応する通信事業者で順次利用できるようになるもので、会話の参加者全員が対応する通信事業者を利用している場合に有効になります。暗号化されたRCSの会話には、鍵のアイコンと「暗号化済み」の表示が出ます。
この暗号化は個人間RCSに関する案内であり、企業からの配信で扱う情報の保護は、利用する配信サービスの仕様によって決まります。企業が機密性の高い情報を送る場合は、配信サービスの保護範囲と、メッセージに載せてよい情報を事前に整理しておく必要があります。
※出典:Apple「iMessage、RCS、SMS/MMSの違いについて」
RCSと+メッセージの関係
+メッセージ(プラスメッセージ)は、RCS規格をベースにしたNTTドコモ・au・ソフトバンクの3キャリア共同のメッセージサービスです。iPhoneでは専用の「+メッセージ」アプリを使い、電話番号宛てに画像・動画・スタンプを送受信できます。
一方、本記事で解説しているiPhoneのRCSは、「メッセージ」アプリで利用するものです。どちらも同じRCS規格に基づくサービスですが、受信するアプリと、キャリアごとの提供条件が異なります。対応回線であれば、+メッセージアプリを入れていないiPhoneユーザーにも「メッセージ」アプリでRCSを届けられるようになりました。
企業からの配信でも、+メッセージ経由とRCS経由の両方が使われています。法人向けメッセージ送信サービス「KDDI Message Cast」は、RCS/+メッセージとSMSを組み合わせた配信に対応しています。+メッセージの機能や料金、法人での活用方法は、+メッセージ(プラスメッセージ)とは?SMSとの違い、料金、法人活用のポイントを解説で解説しています。
ビジネス活用:企業がiPhoneユーザーにRCSを配信するメリット
KDDI Message Castから配信できる範囲
企業のシステムから利用者へ通知や案内を送る配信は、法人からの配信(A2P:Application to Person)と呼ばれ、個人間RCSとは対応状況が異なります。法人からのRCS配信がどの回線に届くかは、キャリアの対応だけでなく、利用する配信サービスがその回線への配信に対応しているかどうかで決まります。
KDDI Message Castは、2026年9月時点でau回線への法人向けRCS配信に対応しています。ソフトバンク・NTTドコモ回線へのRCS配信は現在未対応で、2026年度中の対応を予定しています。au回線のiPhoneには、「メッセージ」アプリに企業名やロゴ、画像、ボタン付きのメッセージを直接届けられます。
企業名・ロゴの表示で送信元がわかる
法人向けRCSでは、キャリアの認証を受けた企業アカウントの名称やロゴ、認証マークがメッセージに表示されます。受信者は送信元を一目で確認できるため、電話番号だけが表示されるSMSと比べて、通知や案内を安心して開いてもらいやすくなります。
画像や動画で商品・サービスを伝えられる
RCSでは、画像や動画を本文と一緒に「メッセージ」アプリへ届けられます。キャンペーンの内容を画像で示し、条件や期限を本文に添えるといった使い方ができ、文字だけでは伝えにくい商品やサービスの案内に向いています。
ボタンで予約・購入・問い合わせに誘導できる
メッセージ内に設置したボタンから、予約ページや商品ページ、問い合わせ先へ誘導できます。「詳しく見る」「予約する」といったボタンでリンク先を明示できるため、URLを本文に貼るSMSと比べて、受信者が次の行動に進みやすくなります。
RCS/+メッセージの導入事例
KDDIの開通部門では、auひかりの開通工事を控えた顧客への前日リマインドを、文字だけのSMSからRCS(+メッセージ)の配信に切り替えました。公式アカウントの認証マークで送信元を示し、リッチカードにアイキャッチ画像と工事日の日付を大きく表示したことで、すべてSMSで送る場合と比較して、工事日当日の不在による延期件数を36.7%削減しています。不在延期が減ったことで、コールセンターが工事日を再調整する時間も月間75時間削減されました。詳細は「KDDI株式会社(開通部門)の導入事例」をご覧ください。
TOPPANエッジ株式会社では、ある自治体で実施した給付金の申請勧奨通知に+メッセージ(RCS)を活用し、申請期限や必要書類などを視覚的に示した結果、開封率88%、URLクリック率30%を達成しました。いずれも配信経路や施策の条件に基づく個別の結果ですが、認証マークによる安心感と画像による視認性が、通知の効果につながった事例です。詳細は「TOPPANエッジ株式会社様の導入事例」をご覧ください。
AI連携で進化するRCS: Salesforce Agentforce対応

KDDI Message CastのRCS配信は、Salesforceとの連携で高度な自動化を実現しています。
Salesforce連携のRCS配信
KDDI Message Cast for SalesforceはAgentExchange(旧 Salesforce AppExchange)平均評価4.75のアプリで、2025年10月にRCS配信対応を開始しました。Salesforceフロー機能との連携により、以下のような自動配信が可能です。
- 商談ステージの変更をトリガーにRCSメッセージを自動送信
- 顧客属性に基づくパーソナライズドメッセージの配信
- 送信履歴・開封率のSalesforce内での一元管理
AI拡張オプション(Agentforce連携)
SalesforceのAIエージェント「Agentforce」との連携により、RCS配信にAIの力を加えることができます。
- メッセージ自動生成: AIが顧客データに基づいて最適な配信文面を作成
- 最適タイミング送信: AIが過去の行動データから開封率の高い送信タイミングを判断
- 双方向自動応答: 顧客からのRCS返信にAIが自動対応
RCS導入のよくある懸念と解決策
iPhoneユーザー全員にRCSが届くわけではないのでは?
はい。iPhoneで個人間RCSを使える回線が増えても、企業からのRCS配信が届くかどうかは、配信サービスの対応回線と受信側の設定で決まります。KDDI Message Castは、2026年9月時点でau回線への法人向けRCS配信に対応しています。ソフトバンク・NTTドコモ回線へのRCS配信は現在未対応で、2026年度中の対応を予定しています。RCSが届かない相手にはSMSへ自動で切り替えて届けられるため、RCSとSMSを組み合わせて配信を設計するのが基本です。
RCSの配信コストは高いのでは?
RCSの送信料金には、SMSの料金案内をそのまま当てはめられません。費用を見積もる際は、RCSの送信料金に加えて、切り替え先となるSMSの送信料金や利用するオプションを含めた全体で比較します。KDDI Message Castでは無料トライアルも用意しており、対象となる機能や通数・期間を窓口で確認したうえで、実際の配信で効果を試してから判断できます。
RCSの設定や運用が複雑では?
KDDI Message Castでは、管理画面(入稿ポータル)からの配信、既存システムとのAPI連携、Salesforceとの連携から、自社の運用に合った利用方法を選べます。導入時には、企業アカウントの登録、配信対象の回線、RCSとSMSそれぞれの文面、配信結果の確認方法を整理しておくと、運用を始めやすくなります。利用方法ごとに対応する機能や設定範囲が異なるため、導入前に窓口へご相談ください。
RCSが届かないiPhoneユーザーにもメッセージを届ける方法
回線やiOS、受信設定の条件により、すべてのiPhoneユーザーにRCSが届くわけではありません。この差を埋めるのが、RCSとSMSを組み合わせたハイブリッド配信です。法人向けメッセージ送信サービス「KDDI Message Cast」では、RCSとSMSを1つのサービスから送信でき、相手の回線・端末がRCSに対応していない場合はSMSへ自動で切り替わります(フォールバック)。
切り替え先となるSMSは、国内網接続により98%以上の到達率を実現しています。SMSでは画像やボタンを使えないため、SMSの本文だけでも送信元・用件・期限が伝わるように用意しておくと、RCSが届く相手にはリッチなメッセージを、届かない相手にはSMSを、同じ配信の中で届けられます。フォールバックの経路は要件に応じて選べます。詳しくはKDDI Message CastのRCS配信サービスをご覧ください。
まとめ
iPhoneでRCSを使うには、対応する回線とiOSのバージョンを満たしたうえで、「メッセージ」アプリの設定でRCSメッセージをオンにします。2026年9月時点では、au・ソフトバンク・NTTドコモの各回線がiPhoneでの個人間RCSに対応しており、企業からの配信では、配信サービスがどの回線に対応しているかを分けて考える必要があります。
KDDI Message Castは、au回線のiPhone・AndroidへのRCS配信に対応し、RCSが届かない相手にはSMSへ自動で切り替えて届けられます。iPhoneユーザーへのRCS配信をご検討の際は、RCS配信サービスのご案内をご確認のうえ、お問い合わせからご相談ください。
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この資料でわかること
- RCSでできることと、従来のSMSとの違い
- 他の連絡手段と比較したRCSの位置づけ
- RCSの料金体系と、費用対効果の試算例
- RCS非対応端末へのフォールバックの仕組み
- お申し込みから配信開始までの流れと、ご準備いただくもの
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